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濡れた路面の恐怖を和らげる乗り方【ライドナレッジ051】

Photos:
藤原 らんか
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滑りそうと思うほど見当つかず怖くなる

雨が降りだすと、道路のマンホールやキャッツアイ、最近は白線など路面のペイントは滑りにくくしてあっても、上を踏むと安心できない感触……。何かの拍子でツルッといきそうで、ABS(アンチロック)があろうが、車体がちょっと傾いたら転びそうな気がしてならない、そう思いはじめると身体が硬直してバイクを操れない悪循環に陥る。
肩のチカラを抜いたり、両腕や下半身から脱力したり、身体をほぐそうと努力してみるのが先決。とはいえ、ココロの疑心暗鬼は消えるどころか増えるいっぽう。こればかりは気持ちの問題なので何ともしようがない。

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たとえば車線が潜って見えなくなるほど深い水たまりは、2輪車だとまっすぐ走っても前輪が左右どちらかに切れて転倒する危険性がある。前輪がキャスター/トレールの設定で、接地点ステアリング軸の差が復元力(直進性)を生じるからだ。深い水たまりは接地点が路面から離れるのでまっすぐ走れない!

少ないバンク角で曲がるには小さなちょっとしたアクションが効く!

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とはいえ、場所によって道路は曲がる。速度を思いきり落としたものの、ちょっとでも傾けたら滑りそうで怖い。そしてカーブに差し掛ってしまい、寝かすことができないまま外側のガードレールに当たりそう……なんて経験、誰しも思い当たるはずだ。
ただ雨の日の速度なら、僅か数度の傾きでも充分に曲がれるのだ。
コツはカーブの入り口で、スロットルを戻した状態から、アウト側の膝頭でタンクやフレームを内側へチョンとプッシュすること。このワンプッシュで、意外なほど進んでいく方向が変わるのでぜひお試しを。
いわゆるニーグリップでタンクを強く挟んでいると効果が出ないので、身体の他の部分と同じにチカラを抜いた状態でいること。
またシート座面の腰は、ゲンコツひとつで良いので曲がりたい方向へちょっとズラし、外側の下半身全体でちょっとだけステップやタンクの面に、皮膚が軽くたわむ程度にイメージでいうと掴まった感じにしておき、イン側の下半身から脇腹まで脱力すると、僅かな浅いバンク角でも意外なほど曲がってくれる。

ブレーキやスロットルをデリケートにそうっと操作すると
却って感触が掴めない
ブレーキは遊びをキャンセルできる位置からジワッと入力を変化させ
スロットルも安全な低回転域で加速が体感できるくらい開けてグリップを確かめる

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ところで雨が降っているからと、すべての操作をそうっとデリケートに過ぎると、どこから滑るのかも皆目わからず、何か起きたらイキナリで慌てて対応できずということになる。
そのためにも、ライダーはその操作、入力に変化を与えることが大事になってくる。
フロントブレーキであれば、レバーの遊びのストロークまでキャンセルした箇所から、ジワッと強くかけないまでも入力が強い方向へ変化するよう操作する
これによってブレーキも温度変化などウエットで安定した制動を得られるし、何か起きたときにも本能的に入力を弱める側に判断し、ビックリして放してしまう放棄行動にはなりにくい。自分は運動神経が鋭くないからと仰る方もいるが、入力に変化を与え加減がわかってくると、意外や落ち着いて行動するからだ。
リヤブレーキにしても然り。遊びをキャンセルした位置からジワッと踏み込むと、ABSも働かずウエットで滑ることなく驚くほど強く制動できる。
そしてスロットル操作。一定の速度になっても、3速や4速とかの低いギヤでエンジンを中速回転域以上に回してしまい、開度が動いてしまわないよう気づかう乗り方は完全にNG。
これでは加速とか減速のライダーが操作した原因ではなく、路面の傾きや勾配で安定が崩れたとき、気づくのも遅れ受け身のまま対応せずに転倒となりかねない。
そうならない予防策は、常にジワッと加速したり速度が出たら減速したりを頻繁に繰り返すことだ。キャリアが浅かろうが、そんなに時間をかけずタイヤが潰れたりする感覚は掴めるもの。
低い回転域の、エンジンが急激にレスポンスしない領域の、時間差でトルクが湧き上がってくるエンジン特性を常に利用して、路面と自分の関係をつくっておけば、最も安全でウエットでもライディングを楽しめるキャリアへ結びついていく。
そうっと丁寧に……聞こえはよいが、すべて運命まかせになってしまうことをお忘れなく。
そして怖さは我慢せず、安心できるペースまで落として、操作による変化がわかる領域で走ろう!