口金が正対していないと測る前に空気圧が抜ける
タイヤの空気圧をエアゲージで測ったり、不足していたのでエア圧を足したりするとき、ホイール側のエアバルブ口金とエアゲージや空気を入れる側の口金(エアチャックとも呼ぶ)が、お互い正対せず斜めになっているとシューシューと口金のゴムリングの隙間から空気が漏れてしまうのはご存じのとおり。
これでは空気圧も測れず、空気圧を足すこともできない。慌てると却って漏れ続けてしまうので、口金どうしがキチンと正対する方向を確認しつつエアゲージを押し当てたりエアチャックを押し付ける必要がある。
正対するとエアゲージやエアチャック側のゴムリングに、エアバルブの口金が均等に押し付けられ、空気が漏れる音はしなくなる。ちょっとでも正対せず斜めだとすぐ漏れるので、真っ直ぐに押し当てて躊躇せずグッと強めに押し付けるのがコツ。何度か練習してみれば、それほど難しくもないのがわかると思うので早く慣れてしまおう。
ただガソリンスタンドなどにあるクルマ用の長いエアチャックだと、ブレーキのディスクと干渉してホイール側のエアバルブに正対できないこともあり、最近はホイール側のエアバルブをキャストホイールの中空スポーク部分に装着したり、リムでエアバルブだけ横へ向けたりする例も増えてきた。エアチャックが干渉しないのは助かるものの、この真横の角度は慣れないとエアバルブと正対しにくい。エアゲージやエアチャックの持ち方や押さえ方を、あらかじめ練習して確認しておく必要がある。
走りに行くときその都度でエアチェックは必須
タイヤの空気圧は、安全上も心地よいハンドリングを楽しむためにも、常に指定圧にしておく必要がある……そこそこ大事であるのはわかっていても、何かのタイミングで1回エアチェックすると、まだ2週間だし、とはいえ1ヶ月しか経ってないからと、手間を惜しんでそのまま走りがちだ。
しかし知っておくべきは、オートバイのタイヤはクルマなどと違ってエアボリューム(充填している空気の容量)が小さく、このためちょっとしたことですぐ0.5kg/㎠も減ってしまうということ。
それにタイヤはチューブレスのライナーが内側にあっても、完全密閉されていないので1ヶ月で10~20%ほど抜けているもの。さらに冬から春、そして夏を経て、また秋から冬へと気温が10℃以下~30℃と変化すると、空気圧は温度差で20%くらい変わってくる。
またタイヤに釘や金属片が刺さっていて、これがインナーライナーを突き抜けていても、偶然シールされているとすぐにはパンクしたとわからず、数週間ほど乗らないでいると極端に低圧まで下がっていることも考えられる。
そのためにも、エアゲージはペンシル型のポケットに入れておけそうな携帯タイプで良いので、常に持っておくほうが安心だ。また手押しや足踏みポンプもガレージに常備しておくと、出発前のエアチェックやパンクの疑いがあっても修理に行くショップまで徐行運転できる空気圧にする等々、イザというとき役に立つ。
それとエアチェックをした後に、エアバルブに唾などでムシ(エアバルブ内のスプリングがついた小さなチェックバルブ)に、空気を入れた際にゴミが付着してエア漏れを起してないか確認して、唾で風船ができるようであればムシのピンを精密ドライバーの先などで引っ張ってリークしないよう対策するのもお忘れなく。
エアバルブのキャップも、そうしたゴミが空気を充填するときタイヤ内部へ入らないよう、忘れず締めておくことだ。
エアバルブのキャップ裏にはゴムのシールもあって緩み止めやゴミの進入を防いでいる