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ブラインドカーブを、リスクなく楽しく走るには?【ライドナレッジ154】

Photos:
藤原 らんか,Shutterstock(OlegRi)

カーブの道幅やセンターラインを見ながら走るのはムリ!

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山の中を右に左に曲がっていくワインディングロード。
それはイン側を山肌や樹木で遮られる、先の見えないブラインドカーブだ。

この先が見通せないカーブを、はみ出さないよう走るには、センターラインや路肩との距離をはかりつつ、道幅の真ん中を走り続ければ良い理屈だが、ご存じのようにそれはムリというもの。
とはいえ、ひたすら安全マージンを前提にした速度まで落として走るというのも現実的ではない。

先が見えないカーブではアウト→イン→アウトは使えない

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オートバイにとって、片側1車線でも道幅はカーブを走る安全マージンになる。
ただよく言われるアウト→イン→アウトは、サーキットのように先がわかっている状況では使えても、曲がり方が変わるかも知れない一般公道のワンディングでは、ただ余裕を使い切ってしまうリスクのほうが大きい。

そこでバイクはカーブへ進入するとき、イン側をかすめてカーブの中へ進入してゆき、ややアウト側へ近くなってから曲がりはじめるイン→アウト→インという走り方のほうが、見えなかった先がさらに曲がっていたとしても対応しやすく、安全マージンもあって使える走り方といえる。

ただこうした走り方で必要なのが、曲がりはじめるときの明確な進路変更。
だらだらとリーンをはじめるのではなく、向かおうとする先へ進路を向ける、いわゆる向き変えを伴ったリーンであるのが前提だ。

いくつも「くの字」をつくりながら曲がる

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このリーンで軌跡が「くの字」を描くような鋭い曲がり方は、コツさえ掴めばそれほど難しくはない。
イラストにあるように、フロントブレーキを車体を傾けたときにかけると、車体を起そうとする反力が生じる特性を逆利用するのだ。

つまりリーンする前にライダーが曲がろうとする側へ予め体幹移動で重心をイン側へあずけ、同時に軽くブレーキングすることで車体が傾くのを抑えておき、ここぞという曲がりたい地点でブレーキをリリースすると、スイッチを入れたかのようにカクッと「くの字」をつくって曲がりはじめる。

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早く身につけるポイントは、10°~20°とバンク角を深めないこと。
浅いバンク角のほうが、リーンの瞬間にステアリングのレスポンスが明確で、前輪を促す感覚もわかりやすい。
ただ小さなカーブでは、前輪に舵角がつくようなリアクションとなるが、30km/h以上になると舵角はほぼなくなり、リーンのアクションによっては外側へ切れることもある。

何れにせよ、ブレーキングは強い必要がなく、ジワッとかスッといった軽めの制動で事足りるのを実感しておきたい。

先が見えてきたら「くの字」の場所を決める

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こうしたテクが身につけば、ブラインドカーブは不安よりこなしていける楽しさのほうが大きくなる。
たとえばイラストのように、ブラインドが見えてきたら入り口を過ぎたあたりでインへ寄るラインを取りつつ、カーブへ近づくほど見えてくる奥のほうを確認、その曲がり方に合わせて向き変えするリーンの地点をややアウト寄りに決め、そこからリーンするタイミングでも見えてくる奥のほうの様子によって、イン側へ寄るタイミングやアウト側へもう1回寄るのかなどをはかっていく。

状況によってブレーキのリリースを使えば、複雑な複合コーナーも向き変えを何度も挟みながらいかようにでも対応できるというワケだ。
安全マージンも大きく、操る楽しさを堪能できるこの走り方をぜひ覚えて、リスクのないツーリングを楽しもう!