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ツーリングで腰が痛くなり乗り続けられるのか不安です【教えてネモケン107】

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最近1時間も乗ると腰が痛くなって、このままではツーリングにも行けなくなるのではと不安です。対策があれば教えてください。

A.レース用脊椎パッドに寄りかかるよう乗ると効果的です。

負荷を集中させない工夫を

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中年以上のライダーは、実際にすぐ痛みの渦中となって辛い思いをされたり、長時間走行で鈍痛が徐々に強くなったり、たまにピリっと痛みを感じて将来を不安に思う方まで、何かしら気にされている方が多いと思います。
これはバイクの乗る云々以前に、年齢を加えて脊椎が体重などで負担に耐えにくくなっているのですから、避けては通れない部分と向き合う気持ちになることが先決でしょう。
ボクもご多分に漏れず、たまにヤバイと思うことが……というかその崖っぷちにいるのは、何度もそんな経験してきたので自覚しています。
レースで骨折を繰り返したキャリアから、形成外科の専門医から教わった知識も含め、乗り続けるための気遣いはしてきました。
そもそも、知れば知るほどバイクに乗る姿勢は腰痛を誘発しやすいようです。なので、せめて日常では脊椎に負担がかからぬよう、運動するにも水泳だったり、あまり長く同じ姿勢でいないよう心がけてはいます。背筋を鍛えるのも、かなり効果があります。
こうした予防措置も大事ですが、やはり肝心なのが乗っているときの姿勢。シートに跨がった腰に上半身の体重を載せ、路面からの衝撃を腰に集中している状態が良くない……といったら乗れませんけれど、それくらいリスクを孕んでいる自覚は持ちましょう。
その上で背筋が真っ直ぐすぎたり、お腹のほうへ反らせて両腕でハンドルに突っ張り、上半身の体重を支えるのは、腰を守っているようで一番痛みに襲われやすい姿勢であることをお忘れなく。
基本的にお腹を引っ込め腰をきつく曲げて背中を猫背にしている姿勢のほうが、お医者さん的には危険とみるそうですが、ボクの経験からすると一定時間以上乗り続けるときの痛みへのリスクは小さいと思っています。
これは日常的に習慣づけていくほかないので、走りながら気がついたら姿勢を正すといった繰り返しを続けてみましょう。

試してみる価値アリのレース用脊椎パッド

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それとぜひお奨めしたいのが、脊椎パッドを背負うことです。それもソフトなタイプではなく、甲冑のように硬いパーツが何枚か重なって動きを得ているタイプで、レース用の腰まで覆う長い仕様だと効果があります。
この硬めの脊椎パッドを背負うと、ジャケットにせよツナギにせよ、前が綴じられているため背中を脊椎パッドへ寄りかかることができます。やや前傾しているのに、どうやって寄りかかるのかと疑問に思われるかも知れませんが、前傾気味でも猫背になれば腰の下のほうを中心に体重をゆだねる感じがわかります。
この効果はかなり絶大です。長時間、乗れば乗るほど痛みの心配が遠のくのは、キャリアを積んだ方ならすぐ納得されるはず。
脊椎パッドは、万一の転倒で脊椎から腰までの、悪くすると下半身不随に陥るダメージから守るための防具ですから、できればではなく、ヘルメットを被るのと同じくらい重要だとボクは思っています。
ましてや腰痛防止にも効果があるのですから、長く乗り続けたいと思われるなら、面倒がらずにぜひ脊椎パッドと万一に備えて胸パッドも装着なさってください。
夏場の暑い時期も、最新のタイプは意外なほど風通しが良く、むしろ殻と身体の間に風が通るスペースを生むことから、着用が暑そうに思えてもその逆の却って涼しさまで得られるので、強くお奨めしておきます。