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このバイクに注目
ROYAL ENFIELD
Classic 350
2022model

【Royal Enfield Classic 350 試乗インプレ!】 試乗一番乗り! で感動した秀逸シングルスポーツ Part1

Photos:
長谷川 徹

クラシカルなルックスとは裏腹に
まさかのコーナリング性能で驚きの連続!

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このクラシカルなルックスでコーナリングとか言われても……。そう思われたかも知れない。しかしこの予想もしていなかったポテンシャルに、驚きと感動の連続だったことを何より先にお伝えしたいと思う。
もちろんバンク角も深くないため、あまりの安定したコーナリングに調子に乗るとステップのバンクセンサーが容易く路面を擦ってしまう。このバイクのカテゴリーからして攻めるにも限度はあるというものの、このハンドリングはついスポーツライディングで熱くなってしまう秀逸さだ。
じつは街乗りで走り出したファーストインプレッションでも、タウンスピードの右左折レベルの曲がり方に、後輪を軸に旋回方向が安定して前輪が穏やかに追従する、同社のINT650と同じ英国流儀で厳格な基本設計が伝わり、嬉しさが込み上げてくる感動がはじまっていた。 スペックをご覧になればおわかりのように、前輪が19インチとトラディショナルなビッグバイクと同じ仕様。跨がるとわかる車格も中型クラスを忘れさせるビッグバイク感覚で、このバイクが既存の価値観と一線を画しているのが伝わってくる。
とはいえ、これがワインディングで前輪が軽いアンダー気味なステアバランスをみせる、安心感を最優先した秀逸なハンドリングに設定してあるのを知ったとき、思わず小躍りしそうなほどの驚きと感動に終始したのだ。

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ビッグシングルを思わせる低回転でトルクが立ち上がる

まずは主役のひとつである単気筒エンジンに触れよう。アイドリングでトントントントンと、呆れるほど等間隔で安定している最新エンジンの整然とした様子に、ベテランなら驚きを感じるはずだ。
72mm×85.8mmのロングストローク。単気筒ロードスポーツが、ほとんどオフ系からの流用エンジンだった日本車にはないマナーを感じさせる。
そして発進時、アイドリングのままクラッチミートすると前進しようとするので、そこへスロットルを開けてやるとスッと繋がって走ってしまう、半クラッチの短さに感銘するに違いない。これが350ccしかないエンジンとは思えない、500ccクラスかそれ以上のビッグバイク並みの余裕と扱いやすさがある。ビギナーにはもうこれだけでこのバイクを選ぶ価値があるだろう。
そしてこの低い回転域でスロットルを大きめに開けたとき、緩やかにレスポンスしながら強めのトルクが盛り上がってくる逞しさに思わず頬が緩んでしまう。
加速が鋭いとかそうした感覚ではなく、後輪が路面を蹴って身体が押し出されるバイクとの一体感がたまらない。
もう既に350ccとか、排気量概念を忘れさせる次元の異なる走りにすっかり魅了されてしまった。
自然と矢継ぎ早のシフトアップを繰り返すのだが、このギヤチェンジ、やや大きめのシフトストロークで、操作をシッカリすればストッストッと心地よい操作感が楽しめる。こんなことをインプレッションで書くのは久しぶり。小さなストロークでクイックに操作する尖ったスポーツバイクにばかり接してきたからだが、いまさらながらこうしたつくりの大事さを思い知らされる。
ロイヤルエンフィールドにしてみれば、歴史の積み重ねで築いた完成度なのだろうが、日本車に慣れた感性には明らかに異次元だ。もちろんこれは旧いのではなく、ある意味我々には新しさでもある。因みにこのエンジン、Classic350の源流は2009年で300万台以上の実績を誇り、外観こそ似ているが全面的に再設計されユーロ5にも対応して新世代へと生まれ変わったばかり。
空冷の最新エンジンという表現は馴染まないかも知れないが、まさに新しいテクノロジーで支えられた秀逸さをそこいらじゅうに感じさせるブランニューなのだ。

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とにかく安心感の塊のようなおおらかさが魅力

ブレーキはフロントに大径300mmのシングルディスクで、フロントフォークのストロークが長いこともあって、やんわりと効きはじめる唐突さがないタッチ。日本車の立ち上がりで鋭くレスポンスするフィーリングに慣れた感覚だと効きが甘いと思いがちだが、制動力はじゅうぶん以上でむしろ安心して操作できるメリットのほうが大きいだろう。
リヤの270mm径のブレーキも、ラフに扱える緩やかなタッチでこれも安心感重視なので、両輪同時のブレーキが意識せずとも身につくはずだ。
そして前輪19インチの、ほぼ歩く速度の極く低速までフラつきにくい安定感がたまらなく嬉しい。金属パーツに身を包み、頑丈なメインスタンドまである「重装備」なので軽量ではないものの、この重みは低速でも安定しているプラスのほうへ作用しているのは間違いない。街中の渋滞でも安心のノロノロ運転が可能だ。
またシートの座り心地が素晴らしい。シッティングポジションで、後輪を軸とする操作を、高速域とタウンスピードで調整できる幅があるのも秀逸。またタンデムが別体となっていて、昔を知る身としては懐かしさに溢れるが、パートナーを乗せるツーリングではライダーも扱いやすく後席側も長時間座れる快適さが期待できる。
といった按配で、まだまだ秀逸さをお伝えしきれてないので、それはPart2での展開とさせていただくのと、GW明けにはYouTubeでもご覧になれるのでお楽しみに!

Royal Enfield Classic 350 試乗インプレ、Part2はコチラをチェック!

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SPEC

Specifications
ROYAL ENFIELD CLASSIC 350
エンジン
空冷4ストロークOHC2バルブ単気筒
総排気量
349cc
ボア×ストローク
72×85.8mm
圧縮比
9.5対1
最高出力
19.94hp/6,100rpm
最大トルク
27Nm/4,000rpm
変速機
5速
車両重量
195kg
サスペンション
F=テレスコピックφ41mm正立
R=スイングアーム+2本ショック
タイヤサイズ
F=100/90-19
R=120/80-18
全長/全幅/全高
2145/785/1090mm
タイヤサイズ
F=120/70ZR17 R=200/55ZR17
軸間距離
1390mm
シート高
805mm
燃料タンク容量
13L
価格
57万7,500円~
協力/ ロイヤルエンフィールド東京ショールーム