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このバイクに注目
SUZUKI
GSX400S KATANA
1992model

10年後に登場した400のKATANAはエンジンのボア×ストロークからシリンダー前傾角までGSX1100Sを再現!【このバイクに注目】

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スズキ

不朽の名車、GSX1100S KATANAにこだわりの再現で低中速域の逞しい4気筒に!

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スズキといえばKATANA……ハンス・ムート率いるターゲット・デザインとタッグを組み1980年のケルンショーにデビュー、翌1981年から発売されたGSX1100S KATANAは世界中で人気となり、何と1994年に再リリースするというロングラン・モデルになった。

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そうした圧倒的なKATANA人気に、憧れはあっても大型2輪免許がなければ乗れないため、400ccがラインナップされていたらと願うファンは多かった。
果たしてデビューから10年を過ぎても衰えないKATANA人気に、スズキは1992年にGSX400DS KATANAを発売することになった。

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しかしGSX1100S KATANAを400ccクラスへスケールダウンするのは容易ではない。
中途半端なつくりは、熱狂的なファンをはじめ何よりスズキのエンジニアたち自身が許せない。
そこでエンジンから車体まで、とんでもないこだわりで徹底した再現プロジェクトを組んだのだ。
まずエンジンの外観をGSX1100S KATANAのイメージを受け継ぐよう、BANDITなどのGK75Aをベースに、何とシリンダーの高さを22mmアップ、これに伴いボア×ストロークを56mm×40.4mmから、52mm×47mmと6.6mmもロングストローク化、ストローク/ボア比を1100の0.917に限りなく近い0.904としてフィーリングを少しでも近づけようとする懲りようだ。
そうなるとクランクシャフトの鍛造型から新設計となる。ストローク延長と同時にクランクウェブの形状を変更して回転慣性を11%増して、低中速域のフィーリングを粘り強く滑らかな特性にしている。
アイドリングのまま、ローギヤにシフトしてクラッチをゆっくり放すと、GSX400S KATANAはスルスルと発進できるという、400cc4気筒では異例の特性を身につけていた。

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キャブレターもダウンドラフト・タイプだったのが通常の水平からやや傾斜した程度のアングルに。
さらに極め付けはフレームへのマウント角度も同じに見えるよう、シリンダー前傾角をGSX1100S KATANAと同じ18°にまで起こしてマウントしている。
水冷でも空冷フィンがつけられているが、冷却風の抜けなど気にせずに済むので、やや大胆にGSX1100Sのレプリカ然とした幅と高さの比率に固執したつくりだ。
排気系も1100 KATANAと同様に、#1と#2、#3と#4を集合させてご覧のように左右へ振り分けた4into2タイプで、さすがに低音ではないがパルシブな排気音を実現していた。

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これに呼応してフレームもサイズ感を損なわないよう全くの新設計、当時の400ccスポーツでは大きめのほぼナナハン並みといえる1,430mmのホイールベースを設定、そのゆったりとしたスペースに冷却水のリザーバタンクを含め各種の補機類が収まるためボリューム感も自然だ。
前輪18インチと後輪17インチは元の1100Sが前19インチ後ろ18インチのバランスを意識してもいるが、星形スポークのキャストホイールを含め、この車格とフィットするサイズ且つハンドリングを楽しめる仕様として選択していた。

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この急かされずちょっとビッグバイクぽい緩やかな車体の動きは、バイクまかせで旋回していける安心のハンドリングが楽しめた。
こうした手の込んだ、しかもハンドリングや扱いやすさへ貢献する要素を積み上げたGSX400S KATANAは、ネイキッドブームの真っ只中だった背景から他にない個性もあって当のスズキの予想を上回る人気となり、1998年モデルまで7シーズンとこの時期としては息の長いモデルライフだった。