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ニーグリップで筋肉が力むとグリップ面積が減るのでジンワリとホールド!?【ライドナレッジ175】

Photos:
藤原 らんか,iStock(ForeverLee/oariff)

車体のホールドは下半身のアウト側、しかし力まないのがコツ!

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たとえば減速でブレーキをかけると、身体がシートの上を前へ滑っていこうとする。
これに耐えようと、ハンドルを持つ両腕で突っ張って支えるのは、大事な前輪を常にフリーにしておけないのでNG。
なぜなら前輪は直進安定性や曲がりやすさを、外部からの入力ではなく自らのアライメント設定で得ているため、これを妨げると不安定になったり悪くすると滑ったりに陥るからだ。

それではどこで身体を支えれば良いのか。
それは下半身、それもカーブなどに構えるなら曲がろうとする外側の太ももや膝に脛など。
ただこれらの部分を力んではいけない。

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太ももなど、筋肉を力ませると大袈裟にいえば怒張して皮膚の表面に凸凹ができる。
そうなると、太ももが座っているシート上面で、ベタッと接していた面が緊張することで接地面が減ってしまうことになる。

つまり力まずに、皮膚の表面がジワッとズレる範囲でグリップしている状態が、いちばん密着してホールドに都合が良いというわけだ。
それにそもそも力むと、車体の各部が設計された機能を発揮するのを妨げる場合がほとんど。
ジンワリ、ピタッと接している按配がちょうどイイのだ。

外側ホールドが自然にできるようになると、リーンも軽快で曲がり方のコントロールもしやすくなる。

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このアウト側の下半身ホールドが自然にできるようになる手順を説明しよう。
まず減速に耐える要領で、ステップをブーツの土踏まずで前に蹴る方向へジワッと入力。
その反力が伝わるようなカタチで、燃料タンクのニーグリップ部分にある膝頭で太ももをシート後ろへジワッとズレるようなグリップを与えることができる。

この状態で、筋肉が緊張しない、皮膚の表面が僅かにズレるくらいの、ジンワリとした入力であるのを確認。
そして反対のイン側のお尻かた太ももに脛から足首まで、すべてのチカラを抜いた状態に。

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このままたとえば内側ステップから足を上げるなり放した状態でも、アウト側の下半身で身体を支えていられるのがわかる筈だ。
何ならサイドスタンドを出したまま、左の足を上げてお仲間に車体を揺すってもらおう。
かなり強めにグラグラされても、どこも力まず意外なほど車体をホールドできる。

この感じを掴めたら、実際に走ってもこうしたホールドをキープしながら、リーンのときはイン側を脱力、慣れてきたら身体の重心(体幹)を僅かイン側の「真下」へ移すのが最善の操作となる。

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そして外側ホールドに対し、内側の脱力と重心を下げるアクションを続ければリーンが深くなり、やめればバンク角が深まらず、イン側へ寄りかかるような感じをやめれば、車体が起き上がるバイクのアライメントを100パーセント活かした操作に繋がるのだ。
少しずつでも馴染みながら、やんわりジワッとホールドする乗り方を身につけていこう。