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ビギナーの勘違い、小さなスロットル開度のまま長くシフトアップしない!?【ライドナレッジ108】

Photos:
藤原 らんか,Shutterstock

吸気速度が速ければ、小さな開度でも車体が揺れたらダッシュしかねない!

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大型バイクに不慣れな運転で心配なのが、発進してから3秒以上もローギヤのままゆっくり加速、ようやく2速へシフトアップした後もまた3秒以上少しずつ加速してやっと3速という、なかなかシフトアップしない走り方。
急に加速されると怖いので、警戒してスロットルを少しだけしか開けないのはわかるのだが、そのまま回転が高くなっていくと、路面からの揺れでスロットルが捻れてしまい小さな開度でもいきなりダッシュして、逆にライダーを怖がらせてしまうかも知れないのだ。

エンジンは水鉄砲の原理で、吸気行程でピストンが下がるとき、このタイミングで燃焼室の吸気バルブが開いて、混合気を吸い込もうとする。
このときエンジンの回転が6,000rpmとかそれ以上だと吸気速度が高く、勢い良く加速しないようスロットル開度を小さく保っていれば平穏だが、僅かでも捻ると瞬く間に強烈にダッシュ状態へ切り替わろうとする。
一番性能が発揮できる高回転域なのだから、これは当然の結果だ。

勢い良く加速される怖さを避けるため、
低い回転で大きく捻るを繰り返す!

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それでは3,000rpmとか低い回転域ではどうだろう。吸気速度は相応にゆっくりとなるが、スロットル開度との関係は基本的に変わらない面と、そうではないライダーに優しい面のふたつが顔を出す。

たとえば肺から息をゆっくり一定に吐きだしながら、大きく口を開けた状態と口をすぼめた状態で比べると、出口を細くしたほうに勢いがつくのはいうまでもないこと。
つまり小さな開度のほうが、低い回転域だと鋭くはないが加速に転じやすい状態にあるわけだ。
しかし大きく捻ると、つまりインジェクションのスロットルボディやキャブレターのスロットル開度が大きく開放され、吸気速度が遅くなるので混合気の供給量も多くなく、加速するにしてもやんわりと時間をかけて転じていくことになる。

スロットル開度ってパワー調整装置とはかぎらない!?

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ここで気づいて欲しいのが、低い回転域だとスロットルを大きく開けても、いきなり鋭い加速はしないということ。
そしてゆっくりとした加速ながら、トルクという後輪のグリップにいちばん効く脈動を伝えながら路面を蹴る、安心の加速状態が得られるのだ。

経験豊かなライダーは、発進すると短い間隔で矢継ぎ早にシフトアップする。街中で速度も出さないのに、どうして不必要と思える4速や5速、もしくはトップギヤまでシフトアップするのか?
それはこの最も安定した状態で加速できるのと、トラクションが効いているので、ちょっとした進路変更なども後輪がグリップしたまま弧を描くことができる安心感と、アクティブに走るのに都合が良い条件になるからでもある。

ビギナーにはこのようにアクティブに操ることは考えられなくても、低い回転域でスロットルを大きめに開け、矢継ぎ早のシフトアップで繋ぐドッシリと腰の座った安心感で、大型バイクならではの余裕と醍醐味を味わって欲しい。

鋭く加速しないグリップが良く安心の低い回転域を、
使い続けるためのシフトアップを覚える!

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そのための素早いシフトアップのイラストも添えておくが、【ライドナレッジ068】に詳しいので、カーブでバンクしながらでも可能なシフトアップ術も、ぜひ身につけておこう!