中上選手がゲストとして出演した「IXON LIVE with 中上貴晶選手 by RIDE HI」。そこでは、MotoGPの魅力やGPマシンの各種装備の話、中上選手の私生活など、もっとMotoGPを楽しむため・もっと中上選手を応援したくなる情報が盛りだくさんだった。 ここではそんなライブ配信で気になったMotoGPのデバイスについてご紹介する。その他の情報についてはYouTubeのアーカイブを要チェック!
IXON LIVE with 中上貴晶選手(MotoGPライダー) by RIDE HI
進化し続けるMotoGPデバイス
スタートに使っていたデバイスがコーナリング中にも活躍!?
毎年、様々なデバイスが追加され続けるMotoGPマシン。ただ観戦しているだけだと意外と気が付かないデバイスについて、中上選手が語ってくれた。 エアロダイナミクス(空力デバイス)やハンドリヤブレーキ(サムブレーキ)など、マシンの見た目から分かりやすく変化している部分も多くあるが、目に見えないところもライダーの好み含め様々な箇所が変化している。
最近、よく見かけるのがコーナリングの立ち上がりでリヤ周りが沈んでいる姿。これはホールショットデバイス(スタート時に車体の姿勢を低く維持して、ウイリーを抑制、加速の性能を高める)のリヤ側を応用してコーナリングでも使えるようにしたものだ。
ストップ&ゴーのレイアウトで有効で、立ち上がり時のウイリーを抑制して加速が速くなるのだ。
このデバイスはコンピューターの判断ではなく、ライダーが自分で操作して作動させている。ハンドル左手側にレバーが付いており、それを押し込んでライダー自身のタイミングで介入させるのだ。
旋回中に作動させてしまうとリヤが沈みすぎて旋回を邪魔されてしまうというデメリットもあるので、コーナーごとに介入させるタイミングを調節する必要があり、難しいという。
また、ライダー・メーカーによってもタイミングや動きが違うのでフリープラクティスなどでは、他のライダーを観察し、メカニックなどと情報を共有しながらマシンをアップデートしていくのだそうだ。
数年前までは「あのメーカーはあそこのコーナーが速かった」などスピードに関する情報を共有することが多かったのが、最近は「あのメーカーのマシンはこういう動きをしていた」などとマシンの挙動に関する情報を共有することが多くなったと語る。
中上選手いわく、初めてこのデバイスをコーナー立ち上がりで使用したときは、リヤが車高短の状態で、まるでチョッパーに乗っているような変な感じがしたそうだ。
ちなみに、フロントのホールショットデバイスについては、スタート時のみに使用する。
ホールショットデバイスが登場してからスタートでウイリーしてロスすることが少なくなった
立ち上がりでリヤを沈めることで、加速効率を最大限に
左ハンドルにはクラッチレバー以外のレバーが見える
レース中にもマップを変更する!
レースの映像を観ていると、サインボードやダッシュボードに「MAP2」「MAP3」といった数字が出ているのだが、それはピットからマップの変更の指示である。
マシンには、パワー、エンジンブレーキ、トラクションコントロールを変更する3つのボタンが装着されており、スタッフがタイムやレースの周回数などを計算して、ライダーにマップの変更を提案する。基本的にはライダーの判断でスイッチを操作し、マップを変更。マップの変更によってもレース中のラップタイムが変化する。
ストレートが長いサーキットになるとマシンの燃費が落ち、「このままでは完走できません」という警告がダッシュボードに出て、パワーを落とさなければいけない場面も出てくる。
実際に、オーストリアはストレートが長く、全開にしている場面も長く、燃費的に厳しいサーキット。ザルコ選手を追い上げている時に警告ランプが点灯してフルパワーからパワーを落として走り、それでももたないとなって最終的には燃費モードマップまで落とし、最後の最後で追いつきそうになってパワーを上げたりとマップを頻繁に変更しながら走っていたというのだ。
速く走ることが大前提ではあるが、タイムを出すための予選モードのマップでは完走できないので、フリー走行ではレースを意識したマップ設定で走るなど、中上選手は常に戦略を考えながら走っているのである。
MotoGPライダーは、想像以上に忙しく走っているようだ。
ホームストレートのサインボードから指示を受ける。最終的な判断はライダーに委ねられている
GPライダーたちは、なぜマッチョ?ウイングレットに秘密が……
中上選手がMotoGPに昇格した2018年から年々トレーニング量が増えているという。これには、MotoGPマシンの進化が関係しているのだ。
マシンの高速化も要因のひとつだが、特に影響が大きいのはウイングレットの登場。
ウイングが装着されたMotoGPマシンは、強いダウンフォースを発生し、フロントが路面に押し付けられる。これにより立ち上がりのウイリーを抑制しているのだ。
しかし、これはハンドリングや切り返しも重くするというデメリットもあり、以前よりもライダー自身の力や体力が必要になってきた。
ライダーたちは、シーズンオフ期間中にトレーニングを続け、ウインターテストなどでマシンの進化具合と身体の仕上がりを確認。場合によってはシーズン中にも身体強化のためのトレーニングをする。
また、ただ体幹が強ければよいというものでもなく、力も必要になってくるのでみな強靭な身体つきになっていくのだ。
また、MotoGPクラスに出場する4台のホンダの中で中上選手だけが、前期モデルの形状ののウイングを使用しているが、これは、よりダウンフォースが強いウイングを好む中上選手自身の選択だ。
中上貴晶 #30
アレックス・マルケス #73
チームメイトのアレックス・マルケスと比較するとウイングの違いがよく分かる。
マシンの進化にも注目しながらMotoGPを観戦すれば、もっとMotoGPを楽しめるはず。
ぜひ、マシンの動きにも注目してほしい。
中上選手のフィジカルや私生活の模様は、インスタグラム「takanakagami」をチェック!
中上選手応援グッズ販売開始!
残念ながら今年の日本GPの開催は中止となってしまったが、テレビの前で中上選手応援グッズを着用して応援しよう!ということでイクソンから各種グッズが発表された。
現在、イクソンを取り扱うライコランドグループの店舗やオンラインから購入することができる!
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