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大型トラックを追い越すときシフトダウンする?【ライドナレッジ121】

Photos:
藤原 らんか,shutterstock(WR7) ,iStock(Henadzi Pechan)

トップギヤの低回転クルージング中、
追い越しですぐ強い加速がしたいとき
瞬時のシフトダウンはどうする?

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ツーリングで前方を低速の大型トラックに塞がれたとき、対向車もなく追い越しが可能なタイミングでスロットルを大きく開けても、トップギヤだと3,000rpm以下ですぐに加速できない。
そうならないよう、追い越しがありそうな状況では、予め3速の6,000rpmなど高い回転域で走り続けるライダーは少なくない。

しかし、この中速域に回転をキープしたまま加速もせず速度を維持するのは、燃費によくないのと負荷をかけないままだとピストンに真下へチカラがかからず、いわゆる首振りが起きやすく偏摩耗の原因にもなる。
つまり加速する寸前にシフトダウンするほうがエンジンには好ましいというワケだ。

空吹かしせず瞬時の同時操作の早ワザが、
ミッションもクラッチも傷めずクール!

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これが最近増えつつあるクイックシフターが装着されているなら、ただシフトペダルを下に踏み込むだけで、クラッチ操作も必要とせず瞬時に6速→5速、もしくは5速→4速へシフトダウンできてしまう。

何もついていない普通のクラッチとミッションだと、クラッチを切ってスロットルを捻って空吹かしをしてからギヤダウン、そしてクラッチを繋ぐという、時間もかかるしショックのないシフトダウンは経験者じゃないとスムーズにできない……

実はそんな必要もない、クイックシフターが装着されてなくても、ほぼ同様の瞬時にシフトダウンを済ませてしまう早ワザが可能なのだ。

先ずクルージングしている回転で、スロットル開度を一瞬ピクッと手首のスナップを効かせるように僅かだけ開け、そのアクションと同時にシフトペダルを踏み込む。
このときクラッチも同時に遊びから僅か1センチほど引いておくと、慣れるまで出がちなショックを和らげてくれる。

クラッチを丁寧に握る操作は、エンジン回転がその間にアイドリング近くまで落ちてしまうため、却ってシフトダウンのショックを誘発する。
クラッチレバーの遊びから僅か1センチ、多板式クラッチの1枚だけでも滑り気味にできれば充分なので、チョンと指でレバーを触って放す感じの一緒の操作で済ませる。

慣れるとドライブチェーンやミッションのギヤのバックラッシュという、遊びの動きを利用して、クラッチを全く触らずにできるようになるはず。

モーターサイクルの常時噛合式のドッグミッションは、うまくできずに強いショックがあっても機械的なダメージは考えられないほどタフで丈夫なつくりなのでご心配なく。
またクラッチも全く切らずに操作できれば、繋ぐたびに僅かスリップする摩耗もなくなるので、走行中は使わないほうが傷まない。

ちょっと乱暴に聞こえるかも知れないが、バイクを大事に扱うならこういったクイックな操作のほうが良いことも覚えておこう。