カワサキと共同でスーパーバイクレースへ挑戦、そのホモロゲマシンとして開発、公式テストで早くも1番時計を刻むポテンシャルを発揮!
EICMA(ミラノショー)2024年で、ビモータはカワサキとのプロジェクトによるKB998 Riminiをリリース(Riminiは本拠地リミニ市に因んだ車名)した。
実はこれより前、2024年度のワールドSBK(スーパーバイクレース)の最終戦が終了した後、10月22日と23日にスペインのヘレスサーキットで行われた公式テストで、2025年度から参戦するビモータがこのKB998を現地でアンベール、テスト2日目の初走行で並みいるチャンピオンチームやライダーに伍して、2名のライダーが何とラップタイムでベストと2位を獲得する、とてつもないポテンシャルを披露したのだ。
まだテストを重ねて熟成している筈もない段階で、このポテンシャルに、このポテンシャルに天才エンジニアでビモータ代表のマルコーニ氏も満足気。
ハンドリングにかけては、エンジン位置など重心と前後のアライメント設定で、ミリ単位の妥協を辞さないビモータらしく、高度な完璧設計が功を奏した好タイムの要因であるのは容易に想像できる。
そしてEICMAで発表になった、SBKレースのホモロゲーション(公認)のベースマシン、KB998の仕様を間近で見られることになった。
メインフレームはビモータのお家芸であるクロームモリブデン鋼管によるトレリス構成。アルミの一体削り出しのスイングアーム・ピボット部分とをボルトマウントしている。
エンジンはカワサキZX-10Rを搭載、排気系を独自に集合したアクラボビッチ製マフラーなど、オリジナルと異なるチューンで、発表になったスペック表示でもエンジン特性に違いがあるのを伺わせている。
2025年ワールドSBKレーサーの公道バージョンは現在生産中で、2025年2月24日までに125台、12月31日までに125台、FIMルールを満たす合計500台が2026年までに生産される!
EICMAでは価格やデリバリー時期など、詳しくはまだ未定ということだが、ワールドSBKレースはベースモデルが市販車で最小限500台が生産されないとホモロゲーションを獲得できない。
このレギュレーションから、KB998は2025年2月24日までに125台、2025年の12月31日までにさらに125台、そしてFIMルールを満たす合計500台が2026年までに生産されていなければならない。
つまりこのホモロゲーションに合致する生産は必ず行われるわけで、少なくともヨーロッパでは近々デリバリーが可能になる。
ただ日本にはいつから輸入されるのかなど、まだ決まっていないが、何れにしても遠くない時期に発表になるだろう。
アルミ削り出しのスイングアームや、カウルなど車体パーツはウイングレットを含め軽量で剛性の高いカーボン製。
フロントフォークはSHOWAのBFFに、リヤサスもSHOWA製でリンクを介しマウント、ステアリング・ダンパーがオーリンズ製の電子制御など、定番装備がフルセットされているのはいうまでもない。
そして2025年度のワールドSBKレースで、ビモータがかつてYB4でF750を制覇した1987年、その前に世界GP350ccクラスで初の世界タイトルをYB3が獲得した1980年の歴史に、また新たな勲章を加えられるのか、大いに注目したいところだ。
ビモータの伝説ともなっている、パーフェクトなニュートラルステアに感動する日が待ち遠しい。
SPEC
- フレーム
- クロームモリブデン鋼管トレリス
- 車両重量
- 195kg(燃料を除く潤滑油・冷却水などを含む走行可能状態)
- サスペンション
- F=テレスコピック倒立
R=スイングアーム+モノサス - タイヤサイズ
- F=120/70 ZR17 R=200/55 ZR17
- 全長/全幅/全高
- 2,085/862/1,205mm
- 燃料タンク容量
- 17L
- 価格
- 未定