最強R1300GSエンジンのネイキッド・コーナリングマシンが登場!

BMWは初のバイクだった1923年のR32以来、ボクサーエンジンとシャフトドライブを継承。
いまや水冷DOHCで電子制御化の進化を辿り、世界でアドベンチャー系の人気トップモデル、R1300GSで最強パフォーマンスで名を馳せている。
そのいっぽうで、空油冷だったひとつ前の世代も継続生産され、nineTシリーズとなってから再び人気も出て、2023年に100周年を迎えたのを機にR12 nineTも登場、新たに超弩級ビッグボクサーR18系からR20へと進化したショーモデルで話題となったばかり。
そうした空油冷系との併売で、BMWに詳しくないとそれぞれのモデルのカテゴリーがわかりにくいが、今回発表されたのは最新R1300GSの水冷ボクサーをベースで共有するネイキッド・ロードスターだ。

R1300Rは従来のR1250Rのボア102.5mm×ストローク76mmの1,254ccから、ボア106.5mm×ストローク73mmの1,300ccと、ボアを拡大しつつストロークは逆に縮めるというスペック。
さらに厳しくなる排気ガス規制を見越しての排気量アップを、エンジン外寸を大きくせず、より広範囲な回転域でピックアップが扱いやすくレスポンスの良さを狙っている。
そして水平対向ボクサーでは宿命のようにいわれてきた、左右のシリンダー位置がズレていた構造が、右のDOHC駆動チェーンをシリンダー前に、左はシリンダーの後ろに配置することで、足元の左右気筒がシンメトリ化されている。
最高出力は107kW(145PS)/7,750rpm、最大トルクが149Nm/6,500rpmと、100年の歴史があるボクサー史上で最強のパワーユニット。
106mmを越える大きなボアは、燃焼でノッキング対策などエンジニアリング的には難しい課題だらけの筈で、他社のエンジニアから溜め息が聞こえてきそうな独自のテクノロジーが光る。


従来のR1250Rとはエンジン後方のパイプフレームが見えないことからわかるように、R1300GSとベースを共有する完全なフルモデルチェンジ。
基本はエンジン・ブロックが剛性メンバーの主体で、これにステアリングヘッドを取り付ける構造と、リヤサスをマウントしてライダーが載るサブフレーム(アルミ・ダイキャスト製)とを結ぶ従来のメインフレームの位置に、スチール製でパイプではなく中空断面を溶接で構成する新たな手法が採り入れられている。
サスペンションはフロントにGS系では小さなリーディングアームを介したテレレバーだが、ロードスターのR1300Rは一般的なテレスコピックの倒立フォーク、そしてリヤもシャフト駆動のトルク変動で姿勢変化を抑えるパラレバーのBMWオリジナルの安定性と乗りやすさで定評のある方式だ。


実はボクサーを乗り継いだライダーには知られているのだが、ボクサーのロードスターRはワインディングで醍醐味の大きな満足感に浸れるコーナリング・バイク。
今回もBMW自らが「走りの美学を極めたカーブハンター」とキャッチコピーをつけるほど、その水平対向エンジンならではの抵抗のない軽やかなリーンと、その間にエンジン形状からヤジロベエ効果で不安定な動きをしない安心感に包まれた、ベテランはもちろんビギナーでもコーナリングが楽しくなるスポーツ性の高さなのだ。
カウルのついたRSやツーリング用に大きなスクリーンのRTだと、どうしてもその質量が緩慢さに繋がるが、ネイキッドのロードスターは唯々車体の貢献度だけに身を委ねることができる。
さらにフェイルセイフのコーナリングABSからエンジンの選べる4モードなど、リカバリーに優れるBMWの安心設計がサポートするので、長く乗りたいベテランほどボクサーを選ぶのが定番コースでもある。

このNewR1300Rは発表になったばかりで、日本での価格やデリバリー時期は共に未定。
ただ各ディーラーでは最新の情報が得られるので、詳しくはぜひお問い合せを!
SPEC
- 最大トルク
- 149Nm/6,500rpm
- 変速機
- 6速
- フレーム
- スチール製中空フレーム
- 車両重量
- 227kg(乾燥)239kg(燃料90% 走行可能状態)
- タイヤサイズ
- F=120/70 ZR17 R=190/55 ZR17
- 全長/全幅/全高
- 2,126/864/1,112mm
- 燃料タンク容量
- 17L
- 価格
- 未定