オフロードをぶっ飛ばさないお散歩セローより、もっとゆっくり楽しく散策できるオトナ人気で2018年モデルまで継続!

2001年、ヤマハは東京モーターショーにエンジン付きBMXと呼べるようなコンセプトモデルのTricker(トリッカー)を初公開。
次いで2003年にはご覧のTricker Proという、デザイン的にもトライアルバイクを競技用から遊べる「フリーライド・プレイバイク」へとイメージを進化させた参考出品車とXG250の市販予定車が発表となった。
ヤマハは1968年の昔にDT-1という250ccで2ストローク単気筒の、それまでオンロードスポーツをセンターアップマフラーにしたストリートスクランブラーではなく、飛んだり跳ねたりのモトクロッサーへと舵を切った画期的なバイクをリリース。
DT-1はモトクロス競技を世界中に広めたが、いっぽうで1973年にスピードではなく岩場などのセクションを歩く速度で足をつかず乗り切るトライアル競技用のTY250を開発、1975年にはウインカーなど灯火類を装備した TY250IIを発売する路線も加わった。
このオフロードをスピードで駆け抜けるのではないコンセプトは、1985年にSEOW(セロー)225というトレッキングバイクで林道を散策する新しいニーズを掘り起こし、多くのファンを育んだことで知られている。



そうした幅広い選択肢に新たな流れをつくろうとしたXG250 Tricker(トリッカー)は2004年に発売。
TWが街中で流行る流れを若い層へもっと遊びゴコロで乗って欲しいという思いもあって、どんな場所でもどんな乗り方でも気軽に楽しめるコンセプトで開発。
誰にも扱いやすいようセローより小さく短いフレームに、セローより大きい250ccフルスケールエンジンを押し込み、シート高もセローより低くする仕様は、乾燥重量で僅か111kgとビギナーにもすぐ馴染んで遊べる身近さを漂わせていた。





エンジンは74.0mm×58.0mmのSOHC2バルブで249cc、21PS/7,500rpmと2.14kgm/6,500rpmのスペックで、フライホイールの最適化など低回転域の扱いやすさに特化。
BMXをモチーフとした斬新でスリムな車体は、エンジン搭載位置をマシン中央に集中、独得なレイアウトのセミダブルクレードルでセロー225より20mm短い1,330mmの超ショートホイールベース。
前輪19インチに後輪16インチとオフ系より小径化、トライアル車のようなスタンディングポジションがとれるハンドル位置やシート形状にステップ位置と、トライアルで世界を制したヤマハの細やかなノウハウが詰め込まれている。
こうして爆発的ではないものの、街中はもちろんセローよりトコトコと郊外に山間を散策できる親近感から年配のライダーからも支持され、2008年に排気ガス規制に対応して燃料噴射化と燃料タンク容量を6→7.2リットルへ増やすなどモデルチェンジとなった。

さらに2018年からは、排ガス中に含まれる残留酸素量を燃料噴射量にフィードバックする制御に加え、エンジン前部にチャコールキャニスターを追加して平成28年排出ガス規制に適合、約1年ぶりに最終モデルとして復活する展開で注目された。
大型バイクのユーザーには、セカンドバイクとしてのニーズも多く、隠れた名車として長年にわたり生産された関係で、いまも中古車で数多くの在庫が見つけられる人気モデルのひとつ。



