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このバイクに注目
YAMAHA
XJR400R
1998~2007model

空冷最後のXJR400Rにヤマハが込めた美学にいま目を覚まされる!【このバイクに注目】

XJR400R(4HM 1998~)はネイキッドにヤマハ本音のエレガントさを!

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1993年、ネイキッドが再び盛り上がりをみせる兆しへ、ヤマハは堅実な仕様でスタンダードなスポーツバイクを標榜してXJR400を投入した。
水冷XJR400Zを敢えて空冷で設計し直したXJR400は、ハンドリングのこだわりなどで人気機種となったものの、ライバルたちが新型投入で巻き返しをはかる勢いに、ヤマハはブレンボ製ブレーキ・キャリパーにオーリンズ製リヤサスペンションを奢るなど、車名にRを加えたXJR400Rを1995年にリリースしていた。
さらに1998年、XJR400Rは空冷最終型を意識して燃料タンクをよりグラマラスなフォルム(容量も2リットル増えた20Lに)としたり、サイドカバーからテールカウルまでもネイキッドのフラッグシップXJR1300をイメージさせるデザインへと大幅にリメイクしたのだ。

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そもそもXJR400のエンジンは、水冷XJ400Zベースといっても開発エンジニアのこだわりから空冷として見せる(魅せる)エンジンという観点から、2本のDOHCカムシャフトを昔ながらに距離の開いた位置に設定、実際にバルブ挟み角も敢えて64°と大きくとった結果、バルブ径を拡大したペントルーフ(角度の急な屋根のような旧来のカタチ)燃焼室としての中速寄りに特性を得ることに成功している。
シリンダーの搭載角度を前傾14°に設定したボア×ストロークが55×42mmの399ccは、新しい馬力規制値上限の53ps/11,000rpmと3.6kgm/9,500rpmというスペック。
外観もブラックアウトされたバージョンと、従来のアルミ地のふた通りとなったが、後に黒に統一されている。

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排気は4-2-1集合(エキゾーストパイプ部分で2番と3番を連結)で、サイレンサー直前にチャンバーを設けて中速域を稼ぎ、マフラーもメガホン形状の内部を反転式として低周波の力量感に注力、ビートの効いたエキゾーストノートを聴かせる。
エンジン特性は高回転時には腕に覚えのあるライダーには相応の刺激を楽しめて、中速域以下では開けて曲がれるワインディングのポテンシャルを高めるという、2面性ともいえるライダーが積極的に操りたくなる特性。
フレームは高張力鋼管による完全なダブルクレードルで、エンジンマウントは3箇所ともリジットで剛性感たっぷりの逞しいシャシー。
ただサスペション設定が、ヤマハとしてはやや硬めにしてあり、直感的に攻めるバイクが伝わるよう意識していた。

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カラーリングもそれまでのソリッド系からメタリックやキャンディートーン、さらにはグラフィックでヤマハのレースイメージを盛り込むなど、他メーカーとの差別化をより押し進めていく路線をひた走った。

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さらにヤマハのレーシングイメージでもあるブルー系にイエロー系もラインナップされ、燃料タンクのエンブレムに音叉マークを復活させるなど、トラディショナルさも加味したいかにもヤマハ・ファン向けな仕様が用意された。

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しかし2007年モデルを最後に、空冷400ネイキッドは終焉を告げた。フューエルインジェクション化など排気ガス規制への手立ては残されていたが、空冷の冷却フィンが振動で鳴ってしまう面など、空冷デザインを守れない事情も継続を諦めた要因でもあった。

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