yamaha_rz350r_1985model_20260623_main.jpg
このバイクに注目
YAMAHA
RZ350R
1984model

1984年のアメリカ向け第2世代RZ350にはケニー・ロバーツ三昧モデルが!【このバイクに注目】

RZ350の完成度を高めインターカラーでファン垂涎のバイクに!

yamaha_rz350r_1985model_20260623_01

1984年、ヤマハはアメリカでRZ350のイエローと黒いストロボストライプのグラフィックを纏ったモデルを発売した。
これはアメリカのヤマハ・インターナショナル・コーポレーションが、1970年代からモトクロスやロードレースに、このカラーリングで参戦していたのに由来するためヤマハインターカラーとも呼ばれ、ケニー・ロバーツがヨーロッパの世界GPで大活躍すると世界中で人気となっていた。
このモデルは1983年にモデルチェンジした、アメリカ以外ではRZ350Rと呼ぶRZの第2世代。
1980年にセンセーショナルなデビューを果たしたあのRZ250を、1981年に64mm×54mmの347ccへ排気量アップしたRZ350は、まさにナナハンキラーとして世界で知られたパフォーマンスマシン。
これに1983年のRZ250→RZ250Rへと進化させた第2世代と、350でも同じ内容の進化を遂げたモデルに翌1984年のラインナップへインターカラーを投入したもの。
RZ350Rは車名から初代のバリエーション的にイメージしがちだが、実はすべてを刷新したより高次元な完全新設計マシン。

yamaha_rz350r_1985model_20260623_02
yamaha_rz350r_1985model_20260623_03

最大の特徴は、エンジンにYZRワークスマシンやTZ市販レーサーで実用化されたばかりの、YPVSを搭載したこと。
2ストロークエンジンのパワー特性を左右する排気ポートを、その高さを変えることで中速域でトルキーな特性と高回転域のピークパワーを両得する大改革だった。
しかもワークスマシンでしか採用されていなかった、サーボモーターによる排気の可変ドラム駆動と、点火時期もマイクロコンピューターによって調整をはかる、市販車では考えられない高次元なシステム。

yamaha_rz350r_1985model_20260623_04

またダブルループのクレイドルフレームから足回りまで、当時のワークスマシンのノウハウをフィードバックした最新の仕様で完全新設計。
まず初代のリヤサスをカンチレバー方式のモノサスから、プログレッシブにレシオが変化するボトムリンク方式とし、路面追従性を飛躍的に向上。
フレームはステアリングヘッドまわりをワイドにパイプを取り回す、YZR直系の高剛性かつしなやかなレイアウトとしたのだ。
ありったけを注ぎ込まないと気の済まない、ヤマハ・ハンドリングの伝統を守ってきたエンジニアの意地が、一気に込められた自信作だった。

yamaha_rz350r_1985model_20260623_05

その走りは、コーナリングの限界付近で前輪がややアンダー気味に逃げるバランスで、安心感を最優先にライダーが様々コントロールする余裕を与えるという基本的な理念に基づいていた。
ヤマハ・ハンドリングと世に謳われた乗りやすさと醍醐味に、我が意を得たりとコーナーを乱舞するライダーを楽しませた。

yamaha_rz350r_1985model_20260623_06
yamaha_rz350r_1985model_20260623_07
yamaha_rz350r_1985model_20260623_08
yamaha_rz350r_1985model_20260623_09

ただ時代はホンダがレーシングマシンと同時開発したNS250を投入してくるなど、過激な方向へとエスカレートがはじまっていた。
迎え撃つヤマハとしても、さらにレーシーな仕様のマシンを開発せざるを得ない……そしてあのアルミデルタボックスフレームのTZR250をリリースすることになった。
完成度の高さでは類をみないこの第2世代は、かくして最前線を譲る歴史的に目立ちにくい狭間での存在だった。

yamaha_rz350r_1985model_20260623_10
yamaha_rz350r_1985model_20260623_11

こうした状況に投入されたアメリカ呼称RZ350の1984年モデルは、マスコットカウルに世界チャンピオンのケニー・ロバーツのサインが入り、59PS/9,000rpmと4.8kgm/8,500rpmと148kgの軽量車体をいつでもウイリーさせる、腕に覚えのあるライダー向けのスーパーパフォーマンスマシン。
いまでもアメリカでプレミアムなプライスがつく人気モデルなのはいうまでもない。