アメリカはバイクをクルマに積んでレジャーに出かけるカルチャーに用途を絞った!

ホンダは1959年にアメリカはロスアンジェルスに現地法人を設立、前年に完成したスーパーカブやドリーム(305cc、250cc)、ベンリィ125などを送り込んだ。
しかしオートバイといえばハーレーや英国からのトライアンフやBSAを意味していたアメリカで、250~300ccのバイクの存在自体に興味も示さず、ましてや50ccのスーパーカブなど暮らしぶりとは縁遠いモノにしか見えなかった。
売れ残って大量に在庫するスーパーカブを前にアメリカ人の暮らしを考え、何でもピックアップの荷台に載せ遊びに出かけるライフスタイルから、レジャーバイクへの変身を思いついたのがハンターカブのルーツ。



小さな50ccにアメリカ人の巨体が跨がっても、道なき道を分け入るトレールで走る装備として、ドリブンスプロケットを大きくして減速比を稼ぎ、マフラーも石や渓流でも突き進める細いショート管にし、女性がスカートでも跨がれるよう覆ってあったレッグシールドも外しオフロードタイヤを嵌めたのだ。
これで道が開けたTRAIL50は、4速ミッションに複変速機を組み込んだ8速装備や、マフラーもセンターアップと本格仕様へ進化、レジャー用として人気となるまでに成長していった。


当初はまだスーパーカブもOHVで、その後はOHC化されていったが、C100系として釣り竿やライフルを運べるラックをフロントに装備したり、何でもくくりつけられるフラットな大型荷台など、パッケージとして「ハンターカブ」となっていった。
そこから途絶えることなく50ccから90ccに125ccと、エンジンの排気量も変遷を遂げながら日本でもお馴染みの機種となったのはご存じの通り。


国内モデルでも1981年にCT110が、眠っていた需要喚起の糸口となり最新ではCT125がカタログにラインナップされている。
いまや若者からシニア層まで、釣りや散歩がわりのツーリングに、日本一周のヘビーな使われ方まで、ユーザーによってその可能性が開拓され続けている。