紛れもないグッツィである証し、高度な空気力学デザイン!
2021年に創立100周年を迎えたMOTO GUZZI(モトグッツィ)。
そのMOTO GUZZIからEICMA(ミラノショー)で2機種が発表された。
STELVIO(ステルヴィオ)はデビュー間もない最新V100 マンデッロのエンジンをベースにアドベンチャー系仕様としたいわゆるバリエーションだが車名にV100がない。
STELVIOは、モーターサイクリストにとって欠かせない目的地で、伝説的な 48 のヘアピン カーブを抜け 2 つの谷を結ぶ有名なアルプスの峠にちなんで名付けられたからだ。
敬意を表す意味でV100を省いたのだという。
道を選ばないツーリング向けバイクに必要な保護と快適さ。
STELVIOはこのニーズを満たすデザインを選択、とりわけ空気力学は自社で風洞を持つMoto Guzzi の真骨頂で、空気保護、快適さ、ライディングの喜びを最適化するため CFD (数値流体力学) 計算ソフトウェアを使用した 1,500 時間以上のシミュレーションと風洞での数え切れないセッションを重ねた。
ウインドシールドも特別な研究の対象で、2 つのサイド デフレクターの存在により、後方の空気の渦を避けながら流れを偏向する形状となっている。
さまざまな身長に対応するため、最高 150 km/h まで電動で高さを 70 mm の範囲で調整が可能で、紛れもなく Moto Guzzi である証しを物語っている。
いまや他にない、縦置き90°Vツインで最新テクノロジーを駆使して独自の世界を築いてきたMOTO GUZZIは、マンデッロで水冷化DOHC4バルブの最新世代へと進化したそのエンジンをSTELVIOでも搭載、ボア×ストロークが96×72mmの1,042ccで、最高出力が115PS/8,700rpm、最大トルクは105Nm/6,750rpmだが、3,500rpmで82%ものトルクが得られる超ワイド特性だ。
左側に配置されたアルミ製の片支持スイングアームに内蔵されたシャフト駆動は、V100 マンデッロと比較して、オフロードでの使用に適応した結果、仕様が変わっている。
スイングアームの延長により、スロットルを開いたときの最初の上向きの影響が排除され、スイングアームのリアクションロッドの必要性がなくなったからだ。
特徴的な点のひとつは、スイングアームの支点に 6 度の角度で傾斜した独立したユニバーサル ジョイントが組み込まれていること。
この設計変更により、バイクの中央への配置と重量が軽減され、他の Moto Guzzi モデルにみられる90° の角度とは対照的に、84° の角度に設定されたベベル ギアを備えることとなった。
またフレームもフロントまわりが強化され、1,520mmとなったホイールベースと25.6°のアライメントによって、よりツイスティーな旋回の連続に対応しやすい設定となった。
ライディングポジションも、より直立した上半身と830mmのシート高でも膝の曲がりが少ないリラックスした設定だ。
さらにより安全なライディングのために、MOTO GUZZIとしてはレーダーセンサーを初搭載。
レーダー センサー (ひとつはフロント ヘッドライト アセンブリの上に、もう ひとつテールランプ アセンブリの下に配置) がオートバイで使用するために実装されたのはこれが最初だ。
従来の超音波センサーベースの運転支援システムと比較した利点は、照明や環境条件に関係なく、非常に広い視野と信頼性の高い監視にあるという。
追従走行制御 (FCC)、前方衝突警報 (FCW)、死角情報システム (BLIS)、および車線変更支援 (LCA) 機能が稼働する。
ライディング モードは、ツーリズム、レイン、ストリート、スポーツ、オフロードの 5 つの異なるモードが選択可能。
各モードでは、3 つの異なるエンジン マップ、4 レベルのトラクション コントロール、3 レベルのエンジン ブレーキ、および 2 レベルの ABS コントロールが提供される。
ライダーは自分のライディングの好みに最も適したライディング モードを選択するだけで、使用中の電子パラメータが自動的に最適に調整される。
これらはパーソナライズ設定することもできるので、ライダーは個々の好みに合わせてパラメーターを微調整することができる。
人気のV85系もTTにストラーダやTTトラベルの3仕様に!
トラベルエンデューロのカテゴリーを確立して、MOTO GUZZIでは人気車種となったV85TT。
従来の進化で派生してきた実績をまとめ、2024年モデルでは3バリエーションとして用意されることとなった。
新しい Moto Guzzi V85 シリーズすべてのモデルは、空冷 90°縦置き V ツインの853 cc。
可変バルブタイミングの採用によりトルクの増加は 3,000 rpm から顕著になり、トルク曲線全体に及び、 3,500 rpm までに最大トルクの 90%、5100 rpm では83 Nm に達する。
従来の76 hp/7,500 rpm から 80 hp/7,750 rpm へとワーアップも達成している。
またノックセンサーによって、より低回転域からの容易いスロット操作が可能。
5インチTFTディスプレイの新しいインパネを備えている。
さらにTT トラベルにはアーバン シリーズのサイドケースが含まれていて、大容量 (右側の 37 リットルはフルフェイス ヘルメットを収納可能、左側は 27.5 リットル) を確保、またヒーター付きグリップと、左側のスイッチキューブのコントロールで温度を調整できるライダーシートが標準装備されている。
SPEC
- 総排気量
- 1,042cc
- ボア×ストローク
- 96×72mm
- 最大トルク
- 105Nm/6,750rpm
- 変速機
- 6速
- フレーム
- スチール製ダイアモンド
- 車両重量
- 222kg(燃料90% 246kg)
- タイヤサイズ
- F=120/70 R19 R=170/60 R17
- 全長/全幅/全高
- 2,195/945/
- 燃料タンク容量
- 21L
- ※日本での価格や発売時期は未定。
SPEC
- 総排気量
- 853cc
- ボア×ストローク
- 84×77mm
- 圧縮比
- 10.5対1
- 最高出力
- 58.8kW(80PS)/7,750rpm
- 最大トルク
- 83Nm/5,100rpm
- 変速機
- 6速
- フレーム
- スチール製ダイアモンド
- 車両重量
- Strada:226kg(TT:209、TT Travel:243kg)
- サスペンション
- F=倒立フォーク
R=スイングアーム+モノショック - タイヤサイズ
- F=110/80 R19 R=150/70 R17
- 全長/全幅/全高
- 830mm
- 軸間距離
- 1,520mm
- シート高
- 850mm(GSスポーツ870mm、ツーリング820-850mm)
- 燃料タンク容量
- 23L
- ※日本での価格や発売時期は未定。