晩秋で15℃を下回ったらタイヤの空気圧は足らない状態に
空気は温度が高いと膨張する。だから夏場に高速で走行するとタイヤの空気圧が高くなるのはご存じのとおり。
その反対で温度が低くなれば収縮して空気圧も下がる。とりわけ晩秋の気温が15℃を下回るあたりから、空気圧が30パーセント以上も減ってしまう場合が多い。
ガンガン走らなければ、それくらいは大丈夫……確かに最新ラジアル構造は、そもそもタイヤが凹んで安定する構造なので、それで急に走りが安定性を欠くことにはなりにくい。
しかし、そのまま放置してさらに低圧になると、さすがに急ブレーキでスリップしやすいなど、緊急時の安全性に差がでて危険でもある。
それとトレッドが大きく揉まれるので、釘や鉄片などを拾いやすく、ひとたび刺さると揉まれながら奥のカーカスから空気圧を保つインナーライナーまで突き破り、走行不能になるパンクに陥りやすいのだ。
タイヤのエアは抜け続けている!
ツーリングに出かける前日、一緒に行く先輩から「タイヤの空気圧チェックも忘れずに」と言われたことがあると思う。
確かにこのところ忙しくて1カ月ちょっと乗ってなかったけれど、パンクでもしていないかぎり1カ月くらいでエアチェック必要ないでしょ、そう思いがち。しかしタイヤから空気はわずかずつ抜けているのだ。
実は最も多いチューブレス仕様はもちろん、スポークホイールでチューブが入っているタイプでも、完全にシールはできないため、空気圧は少しずつ下がり続けている。
たとえばチューブレスタイヤには、内側にインナーライナーという、空気漏れを防ぐフィルムのような薄い膜が貼ってある。
タイヤのゴムだけだと、わかりやすくいえばスポンジのように隙間だらけで空気を通してしまうからだ。
とはいえそのインナーライナーでも、金属やガラスのように遮断するまでの密閉性はないため、わずかずつ空気がインナーライナーから漏れる。
チューブも同じで簡単には空気は抜けないものの、やはり徐々に漏れていく状態にある。
つまり、タイヤの空気圧は自然に減っていくもの。先月チェックしたばかりだから、変わっちゃいないはずと過信せず、走る前に必ずチェックする必要がある。
気温が一気に下がる時期に、空気圧をこまめにチェックするのが転ばぬ先の杖というもの。
簡単なペンシルタイプなど、エアゲージは安価でも目安にはなるので、一本買っておくと余計な心配をせずに済む。