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このバイクに注目
YAMAHA
XJR1200/XJR1300
1994~2017model

ヤマハXJR1200/1300空冷ビッグネイキッドの根強い人気!【このバイクに注目】

FJ1200の空冷4気筒をベースに開発をスタート
しかしビッグネイキッド最後発になるまで時間をかけた

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1989年のカワサキ・ゼファーからはじまったネイキッド人気はビッグバイクへ波及、1992年にゼファー1100、続いてホンダCB1000スーパーフォアがデビューした。

ヤマハには1984年からスーパーツーリングモデルとしてヨーロッパへ投入していた、FJ1100の空冷4気筒エンジンが存在していて、翌1985年からはFJ1200へと拡大されていた。

このエンジンをベースにネイキッドを開発するのは容易く思えたのだが、それがなかなか実現せず、登場したのは最後発の1994年となった。

なぜ時間をかけたのか、それは開発コンセプトを絞り込むのに手間取ったからだ。そこがいかにもヤマハらしいのだが、ライバルたちはビッグネイキッドを大柄で威風堂々としていればイイとわかりやすかったのだが、大柄でも乗りやすいハンドリングとするのはどうすれば良いのか、そこの議論で紆余曲折していたという。

さらにレプリカブームでスポーツバイクのフレームは、アルミの角パイプやデルタボックスフレームなどが続き、久しぶりのスチールパイプによるトラディショナルなダブルクレードルを溶接で組み上げていくキャリアのあるベテランから、新たに現場への再教育を依頼するなど、バイク歴を積んだユーザーから評価が得られるよう準備にも余念がなかった。

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そうしたトラディショナルなベーシックスポーツといえど、頂点モデルとしてのクオリティにこだわった結果、リヤサスにオーリンズ製を奢るなど、ファンの心を掴む要素が揃っていた。
しかも中庸をいくデザインながら、細部の美しい曲面などヤマハ・ファンのみならず大人向けを意識させたことも人気に火をつけた。

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デビュー当時、最大排気量だった1,188ccで97PS/8,000rpm、9.3kg-m/6,000rpmは、232kgと他と較べると軽量だったこともあり、貫録たっぷりのボリューミーなフォルムながら、軽やか且つ前輪が安定感を優先したヤマハ・ハンドリングに仕上がっていたことも、暫く人気を独り占めしていた要因だった。

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その好調な滑り出しをさらに確実にしたのが翌1995年モデルからの、フロントブレーキへブレンボ製キャリパーを投入したことだろう。
こうした攻勢で、デビュー以来の他をリードする人気は安泰にみえた。

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そして1996年にはカウルも装着したXJR1200Rが、バリエーションモデルとして加わったのだ。
因みにこのXJR1200最終型では、シリンダーの冷却フィンを伸ばすといった小ワザもあって、ファンからの支持を高めていたのがいかにもヤマハらしい。

ライバルと同じ1300へ排気量アップ
空冷の心配をよそにロングランモデルへ

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しかし真っ向勝負を挑んでいたホンダは、BIG-1とネーミングしていたCB1000スーパーフォアを越えるヤマハの1200ccが許せないとばかり、CB1300と排気量をアップして対抗してきたのだ。

ヤマハも1998年モデルでは、エンジンのボアを2mm拡大した1,250ccとして、100PS/8,000rpm、10.0kg-m/6,000rpmと首位を守ろうと磨きをかけてきた。

空冷であることを強調するかのように、クランクケースやシリンダーの黒塗装をやめ、シルバー1色で冷却フィンから全体をアピールしていたのが印象的だった。
ただこのシルバーエンジンは2年間だけで、2000年モデルからは再び黒塗装として、初代と共通したイメージへ戻していた。

そして厳しくなるいっぽうの排気ガス規制に対し、空冷エンジンであることが将来を不安にする風潮を跳ね飛ばすかのように、2003年モデルではキャブレターの変更で揺るがぬ姿勢を貫いてみせたのだ。

2006年、遂にインジェクション仕様となり
2017年の最終型まで根強い人気を誇っていた

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輸出向けとしても人気だったXJR1300は、その後もSPバージョンや様々なカラーリングが施され、徐々にスポーティなファン層にも指示されるまで進化を遂げてきた。

こうした先々までニースが確実にある状況から、ヤマハはXJR1300を遂に燃料噴射のインジェクション仕様とすることを決定、2007年モデルからマフラーを4into2into1と初めて集合化して、その集合部分に可変の排気バルブEXUPを装着、キャタライザーと共に排気効率とクリーンな排気ガスへの進化を達成してみせた。

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因みに2003年モデルからは、メーターが透過式表示の電気式となり、液晶ディスプレイも加え時代の進化を反映させながら細かい改良が重ねられていた。

そうした根強いファンの期待に応えるいっぽうで、ヨーロッパ向けではデザインコンセプトの全く異なるモデルも投入されるなど、トラディショナル・スポーツの行方が揺れる時期を迎えていたのだ。

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そして2017年、XJR1300は1200デビューから23年間のロングランに幕を閉じることとなった。
最後まで美しい空冷4気筒の凛とした佇まいをみせていて、まさにヤマハとしての誇りそのものを感じさせていたのが忘れられない。