CB1000 SUPER FOUR BIG-1の400cc版でスタート、1999年のHYPER VTEC搭載で独り舞台に!
2019年モデル発表後、期間限定で2022年まで販売され惜しまれつつホンダのラインナップから姿を消したCB400 SUPER FOUR。
実に30年間という史上まれにみるロングセラーだった。
そもそものスタートは1992年、CB1000 SUPERFOUR いわゆるBIG-1プロジェクトに併行して、同じスタイリングの400ccバージョンとしてリリース。
様々なネイキッド・スポーツが乱立した中、ホンダらしいパフォーマンスとクオリティでニーズの多くを包括、瞬く間にリーダー的存在へ駆け上がっていた。
そのCB400 SUPER FOURをさらに絶対的な存在へと押し上げたのが、HYPER VTECを搭載した1999年モデル。
6,750rpmまでは気筒あたり4バルブの、吸気と排気でそれぞれ1バルブを休止、低い回転域での充塡効率を高め粘るトルキーな特性と、高回転域で4バルブすべてが稼働して伸びやかでパワフルなピークパワーが楽しめるメカニズムだ。
これは以前にCBR400Fで、カム駆動がロッカーアームを介して休止と稼働を切り替えたREV.と呼ばれた機構を、ダイレクトにバルブリフターをカム駆動するメカでも切り替えられる小さく繊細なメカニズムを内蔵、量産車に採用する機構としては画期的な内容へと進化させたモノ。
そして2002年にはそのバルブの切り替えタイミングを、6,750rpm→6,300rpmへと変更したHYPER VTECSPEC IIへと進化した。
さらに2003年モデルでは、バルブ切り替えタイミングを6速のみ、6,750rpmへと変えたSPEC IIIとなったのだ。
ほぼ日本国内に限られる400ccネイキッドでは、このようなハイメカニズムの搭載は生産台数からして難易度の高い仕様で、そうしたメリットをもたらし明確に他との差をつけたホンダCB400 SUPER FOURの独壇場状態は益々明確化していった。
F.I.(電子制御燃料噴射)化でHYPER VTECはRevoに進化!
そのCB400 SUPER FOURも、排気ガス規制などへの対応で2007年モデルで遂にキャブレターからF.I.(電子制御燃料噴射)化され、これを機にHYPER VTECはよりデリケートに変化するRevoタイプに進化を遂げた。
あらためてHYPER VTECを説明すると、吸気と排気の対角線上に位置する各々1本を、バルブ・リフター内に油圧でスライドする切り替えホルダーがあり、低圧ではバルブ・ステムがホルダーの穴にハマって作動せず、高圧(高回転)になるとスライドしてステムが押される作動状態となる仕組み。
これを電子制御燃料噴射となったメリットで、以前に6,750rpm→6,300rpmと切り替えタイミングを変更したのを、スロットル開度が1/4~1/3ほどに大きく操作すると、よりワイドに対応するリニアさを身につけたのだ。
こうしてさらに高度なHYPER VTEC Revoを搭載して、熟成度を増したCB400 SUPER FOURの人気は不動のものとなった。
エンジンについてのモデルチェンジは、この2007年以降は行われてないが、ヘッドライトのLED化やホイールのデザイン変更など、何度かのマイナーチェンジをうけながら2018年が最終モデルの生産となり、2020年の受注期間限定モデルでその幕を閉じることとなった。