yamaha_srx250_3wp_1990-92model_260614 _main.jpg
このバイクに注目
YAMAHA
SRX250 ( 3WP )
1990~1992model

SRX250は初代カジュアルからスポーツ性をアピールへデザイン変更!【このバイクに注目】

DOHCシングルは中速域アップで前後17インチの走りを楽しむ仕様に!

yamaha_srx250_3wp_1990-92model_260614_01

1990年、ヤマハはデザインを大幅に変えたSRX250を再投入した。
初代のデビューは1984年。
前年にホンダがCBX250RSやGB250で単気筒エンジンのカジュアルやトラディショナルな路線での販売をスタート、女性を含む幅広いユーザーを獲得しはじめていた。
対してヤマハが選んだ路線は前輪16インチやレーシングマシンで使われるダブルループクレードルフレームと、もっとスポーツ性を意識させる新しいシングルスポーツ。
ただSRX250はカタログやバイク雑誌の広告で、お洒落で気軽につきあえる、ビギナーから幅広い層をターゲットにしたカジュアル路線を謳っていた。
果たしてこれが裏目に出たかはともかく、DOHCの4バルブシングルは121kgの軽量でベテランが楽しめる高い完成度のスポーツ性があまり知られることもないまま、期待したほどのヒット作にならずに姿を消していた。

yamaha_srx250_3wp_1990-92model_260614_02

しかし同じシングルスポーツでも、1985年からのSRX400/600は高い趣味性を感じさせるモダンシングルのデザインやキャラクターが人気で成功を収めていた。
そのSRX400/600も、レプリカの強いスポーツ性デザインに目が慣れてきたファンへ躍動的な刷新感をアピールしようと、デザインを特徴的だった3次曲面をさらに強調した躍動的なイメージへとモデルチェンジ。
SRX250もこの流れに注目度が高まるチャンスとみて同じ感性のデザインへと変更、外装だけでなくエンジンにも手を入れ、前後を17インチホイールの最新仕様にリフレッシュして再チャレンをはかったのだ。

yamaha_srx250_3wp_1990-92model_260614_03
yamaha_srx250_3wp_1990-92model_260614_04
yamaha_srx250_3wp_1990-92model_260614_05
yamaha_srx250_3wp_1990-92model_260614_06

そもそもエンジンのベースはオフロードモデルのXT250T。
DOHCの4バルブは単気筒ながらツインキャブレターの装着が特徴で、YIDSと呼ばれる4バルブの吸気側ふたつのポートそれぞれに、右側は吸気圧でダイアフラムによるベンチュリー開閉と、左側にはスロットルグリップでダイレクトにピストンの開閉をする異なるタイプのキャブレターをふたつ並べて装着。
右で低回転域のラフな操作を許容する面と、左の高回転域で必要な混合気を積極的に送り込む特性とを併せ持つ効果を得ていた。
エンジン下に大容量のチャンバーを設けるマフラー容量の効果もあって、32PS/10,000rpmと250シングルでは当時の最強を誇っていたが、1990年モデル(形式名3WP)からは28PS/9,000rpmとスペック表示を抑え中速域の充実をはかることになった。
この変更はカムプロフィールをよりパワーを得る側へ変更しつつ、ふたつのキャブレター口径をやや小さくすることで、タウンユースなど実用域でスロットルレスポンスとトルクを力強く呼び出せる特性へとチューン。
さらにクランクシャフトのカウンターウェイトや1軸バランサーのウェイトも見直し、振動を抑えることでよりスムーズなだけでなく、ピックアップの気持ち良さも備えるフルモデルチェンジに近い手の入れようだった。

yamaha_srx250_3wp_1990-92model_260614_07
yamaha_srx250_3wp_1990-92model_260614_08
yamaha_srx250_3wp_1990-92model_260614_09

フレームはほぼ変更なく、ダブルクレードルでもダウンチューブからエンジンを取り囲んでステアリングヘッドへと戻る、ループ状にレイアウトしたレーシングマシンに用いる構成で、250ccでは稀な本格派向けのコーナリングを意識させる仕様を受け継ぐ。
シートも表面をバックスキン調にしたオトナ向けを漂わせていた。
そして何より前後とも17インチ化されたことで、ハンドリングも落ち着きのある安心感が加わり、122kg(乾燥)の軽量さによる軽快感と共に走りを楽しめる面が大幅に向上していた。
ブレーキもφ267とディスクのローター径をアップ、ドラムだったリヤブレーキもディスク化されスポーツバイクとして本格的な装備へとグレードアップ。 しかしなぜかこのモデルでも、カタログやバイク雑誌の広告は前モデルの表現を踏襲したカジュアルで気軽な雰囲気を前面に押し出していた。
それが誤解?を生んだのか、そもそも250ccでは4気筒ネイキッドがメジャーとしての求心力を急激に高めていた状況にその存在を掻き消されてしまった。

yamaha_srx250_3wp_1990-92model_260614_10

250ccのシングル・スポーツといえば、車検もなく維持コストも低いメリットから中心的な存在と思いがち。
しかし実際には高コストな4気筒スーパースポーツや、2ストのレプリカなど、'80年代を中心にパフォーマンス勝負の戦場となっていた時期が長く、意外にもシングル・スポーツはマイノリティな存在だった。
ただメーカーのエンジニアたちは、250シングル・スポーツの大きな可能性を信じチャレンジを重ねてきた。
ヤマハSRX250もその典型で、資質の高い優れたシングルだっただけに、惜しまれる存在のひとつとして忘れ難いモデルだ。