2020年に登場したカワサキNinja ZX-25Rのエンジンのボア×ストロークは、50.0×31.8mmというショートストローク。これは以下に並べる往年の250cc/4気筒と比較するとすぐにわかる。
1989年に登場したカワサキZXR250のボア×ストロークは、49.0×33.1mm。1987年に発売されたホンダのCBR250Rと1989年に発売されたCBR250RRは48.5×33.8mm。1985年に登場したFZ250フェザーと1986年に発売されたFZR250は48.0×34.5mm。1987年に登場したGSX-R250は49.0×33.0mm。
往年の名車たちと比較するとNinja ZX-25Rはビッグボアのショートストローク。しかし、この巨大なボアこそがNinja ZX-25Rの力強い加速に欠かせなかった。燃焼する力を大きくすることで、スロットル開け始めのトラクションを稼ぎ250cc/4気筒らしい加速を可能としているのだ。
スロットルを開けた瞬間、リヤタイヤが路面を掴み安心感のあるグリップを作り出すことが可能。250cc/4気筒は下がスカスカ……それは昔の話だ
これは特に市街地やワインディングなどでの中速域の力強さに貢献しており、250ccという排気量のストレスを完全に払拭。きちんと減速して向きを変えて旋回、そこからバイクを起こして立ち上がるというビッグバイクらしい走りの組み立てを可能としてくれるのだ。
立ち上がりで物足りないからコーナリングスピードと稼いで……というリスキーな走りをしなくていい。スロットルの開け始めでパワー感のなさを感じないのは、最新のインジェクションと点火時期が与えられていることも大きい。このエンジンは、低速から中速、そして本領発揮ともいえる高回転域までの繋がりをとても大切に作り込んでいる。
電子制御も装備した完全新設計された最新のショートストローク250cc/4気筒。250ccという排気量の垣根を超えた、趣味性に溢れている。
エンジンの新しさに目がいくが、Ninja ZX-25はメーターやメーターパネルなど常に視界に入ってくるディテールにチープな印象がないのもいい
「高回転まで回してください」そんな風に訴えかけてくるメーター。250ccなので回した時の恐怖感も少ない。一生ナラシかも……と思うビッグバイクとは対照的な楽しみ方ができる
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