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このバイクに注目
HONDA
CB-1
1989~1991 model

CB-1の新ネイキッドを目指す凛としたカッコよさ!【このバイクに注目】

スーパースポーツからカウルを外したようには微塵も見せない、
独自の贅沢な仕様を満載した気合いの意欲作!

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’80年代にNSRやRVFのレーサーレプリカが乱舞する闘いを制したホンダ
そのエスカレーションを牽引してきた当事者だけに、その矛先をどこへ向け軟着陸させるかの模索のひとつがネイキッド・スポーツ。

レーシングマシンと同じメカやフォルムとなったスーパースポーツに対し、スポーツバイクの原点回帰を謳うには歴代の名車に冠したCBの称号こそがふさわしい。
そうした思いを込め「CB-1」と名付けられ1989年にデビューした新ネイキッドには、時代の寵児とするべく突き抜けた熱意が注ぎ込まれていたのだ。

新ネイキッドはスーパースポーツからカウルを外したイージーな手法は許されない。
エンジンはRVFや最新CBRで採用されたばかりのカムギアトレイン。DOHCをチェーンではなくレーシングマシンと同じギヤ駆動することで、タイミングに一切のズレがない超高回転エンジン仕様……その独得の金属音はいまも語り草だ。

ベースがCBR400RRエンジンだけに13,500rpmからレッドゾーン、出力も中速域へ特性を調整してはいるが、キャブレターをセミダウンドラフト(燃料タンク裏に位置するため11リッターと小さい)を踏襲するなど2ps差でしかなく、最大トルクは同一、そして中速域では+6psとチューン度合いは半端ない。

そして露出するエンジン外観は、CBRには水冷でもシリンダーにフィンがついていたのを潔くノッペリとした水冷を主張するアピアランスとするなど、フィニッシュにも贅沢さを感じさせる熱意の塊だった。

アルミ・ツインチューブと縁を切る潔さは、
パイプフレームに新鋼材を採り入れた本格設計!

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CB-1は本格的なスポーツネイキッドを選ぶライダーは、走りに対する要求もスーパースポーツと同等レベルと位置づけ、車体構成はハンドリング優先の設定となっている。
フレームは高剛性な炭素鋼管を採用、スーパースポーツのアルミ・ツインチューブと同じ構成のダイアモンド型式。
ハンドルも一般的なパイプのアップハンドルではなく、セパレート・マウントで前傾姿勢のコーナリング重視のポジションだ。

実際その走りはプロライダーからの評価も高く、さらなる要求で翌年にはフロントフォークをスーパースポーツと同じ構造や、リヤのモノサスもよりアグレッシブな走りに耐えるようリザーバータンク付きへグレードアップされたほど。

ヘアライン処理されたサイドプレートをはじめ、今後のネイキッドは経験を積んだ価値のわかるライダーに評価される前提の配慮に満ちた自信作だった。

ネイキッドは洗練された合理的なシンプルさではなく、
大きさもあってユルイつくりが流行りに……

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しかし、同じ頃にこれまでと異なる次元のネイキッドとしてデビューした、カワサキのゼファーが、一世を風靡したのがご存じの通り。
機能や性能を詰め込むコンセプトではなく、大きいことがカッコよさだったり、洗練されるよりカルチャーを感じさせるちょっと武骨さだったりが、オートバイらしさを際立たせるという価値観が優位となっていた。

CB-1はより一般的なアップライトポジションとして、燃料タンクも容量を増やし、洗練さを薄めるためのブラックアウト化などでII型として延命をはかったが、CB-1とは真逆のコンセプトで新規に開発したCB400スーパーフォアが、この後を継ぐカタチでメジャーヒットで超ロングラン。
まさに時代の節目に沈み、傑作の評価が極く一部に留まる隠れたる名車の1台といえる。