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効かないし怖い!というビギナーに、リヤブレーキ裏技伝授!【ライドナレッジ162】

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藤原 らんか,RIDE HI 編集部

ペダルを上から踏むと土踏まずが浮く!

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リヤブレーキは、踏んでも足応えがわかりにくく、効いた感じもしないので、ややこしい操作は避けたい(減らしたい)ので使ってない。そう、仰るビギナーが圧倒的に多い。
ところが実はライダー歴30年のキャリアでも、リヤブレーキは効かないし使わない、なんてことに陥りがちなのだ。

じゃ使わなくていいんだ……いえいえ、コレ使えるようになるとリスク回避に大きく役立つだけではなく、快適で確実なライディングが手に入るので、何が何でもできるようになるべき。

まずブレーキペダルの操作に落とし穴がある。
ブレーキペダルはつま先で踏んでいるだろうけれど、このつま先を下へ押す動作は、ステップに載せた足の土踏まずを浮かせてしまうからだ。土踏まずはペダル操作の支点になってくれないと、入力の強さやストロークの遊びから強弱まで、感覚的に伝わりづらい、というよりズバリいうと全くわからなくなってしまう。

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そこでブーツの土踏まずで、ステップを上から踏んづける感じにしながら、つま先ではなく足首を回転させる動きに慣れよう。
ただペダルを踏むときに、チカラを込めようとすると土踏まずがどうしても浮き気味になる。
つま先だけでなく全体に踏みつけて、ペダルが下へ動くので入力ができる、そんな感じで操作してみよう。

くるぶしを内側へ押し付ける支点補助という裏ワザ!

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でもブレーキペダルの遊びや、どこから効く範囲の踏み応えがはじまるのか、やっぱりわかりにくいと感じたら、ぜひこの裏ワザを試してみることだ。

それはギヤチェンジのシフトアップでも「裏ワザ」として伝授した、くるぶし(踝)の内側を車体側へ押し付ける動作。
ブーツの内側がステップホルダーやフレーム、もしくはエンジンのケースでも、触れる部分があればそこへ押し付けるようにする。
もし何も触らなかったら、ステップラバーの車体側の縁に土踏まずを押し付けても良い。

このくるぶしを内側へ押す方向に、少し上からステップを踏む方向を加えた状態で、これらを支点というか操作の基点にしてペダルを下へ操作する。
慣れてくると短いストロークの範疇に、遊びや入力の強弱がわかる感覚が伝わるようになるはず。

この方法でフロントブレーキと同時に、リヤブレーキを操作してみよう。
意外なほど車体が安定して、何よりスッと路面に押し付けられるような止まり方になる。

前のめりも抑える姿勢を安定させる効果大!

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実はリヤブレーキは、回転している後輪を制動(止める)反作用として、リヤサスでいうと縮む方向へ応力が加わる仕組みになっているのだ。
ということは、リヤブレーキを踏むと車体の後ろ側が沈もうとする動きになる。

これはフロントブレーキで、前のめりになるノーズダイブ状態の車体の動きを、後ろが持ち上がらないよう抑える効果で、相対的に前のめりを小さくすることができるのだ。
この姿勢を制御できる手段として、MotoGPのようなレースではリヤブレーキを使いまくる。

ピット前で止まったり、レース前にグリッドへ着くとき、リヤを高々とリフトする「やんちゃ」は敢えてその状態に操作しているので、通常の制動では後輪の接地圧も丁寧な操作で急に減らすことなく、減速Gを稼ぎつつ車体の姿勢をコーナーへ進入しやすい安定した状態とする、リヤブレーキはいわばその鍵を握っているようなモノ。

上手いライダーほどリヤブレーキを大事に操作しているのだ。
ぜひリヤブレーキも必ずかけるライダーでいよう!