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ブレーキ&クラッチレバーは“犬の足”のカタチだった【ライドナレッジ014】

Photos:
伊藤康司,長谷川 徹

昔のレバーは真っ直ぐだったが……

バイクのブレーキレバーやクラッチレバー、昔はシュッと真っ直ぐな形状だった。それが現在主流の、途中で折れ曲がった“ドッグレッグレバー”になったのは、おおむね1980年代初頭からだ。

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1972年に登場したカワサキ900 SUPER 4ことZ1のブレーキレバー。油圧式ディスクブレーキを採用していたが、レバーは以前のドラムブレーキ時代と同様にシュッと真っ直ぐな形状だった。これはこれでレトロな雰囲気でカッコいいが……

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犬の後ろ脚のカタチに注目

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こうやって比べるとそっくり。ここからドッグレッグレバーと呼ばれるようになった

油圧ディスク化、そしてモトクロスから広まった形状

市販バイクで初めて油圧式ディスクブレーキを装備したのが1969年に登場したホンダCB750Fourで、それまではすべてワイヤーを引いて作動するドラムブレーキだった。

じつは構造上の違いから、油圧ディスクのブレーキレバーのピボット位置は、ドラムブレーキよりもハンドルバーから離れた場所に配置される。すると真っ直ぐなレバー形状だと、ハンドルバーから遠くなって指が届きにくくなる(手が小さいと厳しい)。

そこでレバーを引きやすいように途中で曲げてハンドルバーに近づけたのが“理由その1”だ。

そして“理由その2”はモトクロスのマシン。昔からアメリカではオフロードやモトクロスが盛んで、1974年にはスタジアムに大量に土を入れた人工的なコースで戦う“スーパークロス”も開催されるようになった。

そこで、飛んだり跳ねたりの派手なアクションをしながらブレーキを的確にかけるために、ハンドルを外側からしっかりホールドしながらブレーキが操作できる、曲がって短いレバーが流行り始めた。

そして、そのオフロード用のレバーをロードレースに使ってみたら存外に操作性が良いことが判明。そのためドッグレッグレバーは、オンロードバイクにも広まったのだ。
ちなみに1980年代には、以前の真っ直ぐなレバーから改造するパーツとして「パワーレバー」という呼び名でドッグレッグ形状のレバーが数多く販売されていた。

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ライテクにも効くドッグレッグレバー

ハンドルのグリップの端を小指と薬指で巻き込むようにしっかり握り、人差し指と中指の第1関節をレバーの曲がったところにかける。強い力でレバーが引け、かつブレーキの効き具合を繊細にコントロールできるRIDE HI推奨の操作方法だ。そしてクラッチも同様の握り方&指2本がけで操作すると、微妙な半クラッチ操作を行いやすい上に、長時間乗っても手や指が痛くならない。じつはドッグレッグレバーは、これらの操作方法にすごく適した形状なのだ。

フロントブレーキのコツをもっと詳しく知りたい人は、YouTubeでライドレクチャーをチェック!

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