kawasaki_gpz600r_1985-86model_20260625_main.jpg
このバイクに注目
KAWASAKI
GPZ600R
1985~1986model

GPZ600Rは輸出用ミドルクラスを国内向けにリリースした数少ない例外だった!【このバイクに注目】

Photos:
KAWASAKI

バランスの良い本来のパフォーマンスを限定数で販売!

kawasaki_gpz600r_1985-86model_20260625_01

1985年に登場したGPZ400Rは、カワサキの400で初の水冷化したDOHC16バルブ4気筒を載せたシャシーが、CdA値0.29以下のフラッシュサーフェイス化したエアロフォルムのフルカバードボディで記録的なヒットとなった。
このモデルにも同じ中型クラスの海外向け600cc版が存在し、その需要の多さからドル箱バイクとして世界中で激増していた。
ただ国内では大型免許を必要とするため、大型バイクに見えない600ccの需要はほぼなく、この世界戦略で開発されたパフォーマンスを国内で楽しめる例はほとんどなかった。
しかし、カワサキはタイミングこそ若干遅れたが、このGPZ600Rを国内向けにリリースしたのだ。
あの600ならではのバランスの良いパフォーマンスを楽しんで欲しい……その思いからの発売決定で1,000台限定との触れ込みだった。

kawasaki_gpz600r_1985-86model_20260625_02

GPZ400Rはフラッシュサーフェイスで3次曲面のフルカウルボディに、オールアルミのALクロスフレームのエンジンを囲む取り回しをアクセントを見せるレイアウト。
しかしGPZ600Rはダブル・トライアンギュレーテッド・ペリメーター・フレームと呼ぶスチールフレーム(当時ヨーロッパでは凍結防止剤による錆被害でアルミフレームが嫌われていた)で、エンジンを囲む部分はフレームではなく樹脂パーツ。
GPZ400Rが、ありがちな600ccをスケールダウンした400ではなかったのが伝わってくる。
エンジンは400よりボアで4mm、ストロークで12mm拡大した592cc。
出力は400の59psに対し69ps/10,500rpm(輸出向けは75ps)で最大トルクが5.0kgm/9,000rpm(輸出向けは5.3kgm)と、中速域で余裕を持たせた特性。
輸出向けより多少ピーク域を抑え、国内の自主規制に合わせている分、実際の街中では扱いやすさが向上していたという。

kawasaki_gpz600r_1985-86model_20260625_03
kawasaki_gpz600r_1985-86model_20260625_04

実際、GPZ600Rはその走りで400との違いは大きく、ワインディングでパワーがピーク域にないと発揮しにくいのとは異なり、コーナリングの前半からトラクションが有効な醍醐味に評価は抜群に高かった。

kawasaki_gpz600r_1985-86model_20260625_05
kawasaki_gpz600r_1985-86model_20260625_06

そんな好評に促され、翌1986年にもGPZ600Rは現定数ではあるものの、継続されることになり、グラフィックも400とは一線を画したGPX750Rに近い雰囲気となっていた。
海外では様々なカラーリングが展開され、その個性がまったく違ってみえるグラフィック処理の巧みなカワサキらしい様々なバリエーションが居並ぶ様相を呈していた。

kawasaki_gpz600r_1985-86model_20260625_07
kawasaki_gpz600r_1985-86model_20260625_08

このライバルメーカーも驚く、フルカバードでレーサーレプリカ的でもないデザイン人気は、後継として投入したGPX400R、さらに続くZX-4をもってしても凌げず、GPZ400Rを1989年まで併売するという異常事態も生じていた。
それが後にZZ-R400という、日本ではツーリングバイクはヒットしない定説を覆す前提をつくるきっかけにもなっていったのだ。