XJ400が遂に果たした4気筒首位を繋ぐべく水冷ネイキッド投入!
かつて2スト・メーカーだったヤマハは、XS-1バーチカルツイン650ccを1970年とホンダ以外では初の位置づけだったが、性能追求より感性やツーリングでの実用性を重んじたヤマハ・フィロソフィの優先で、多くの機種を投入したもののベストセラーまで辿りついたモデルがなかった。
そんなヤマハで遂に王座に就くことができたのが1980年のXJ400。
翌年の4本マフラーとしたXJ400Dを含め、圧倒的人気を占めていた。
しかしこの状況にライバルが続々と新機種を投入してきた。
とりわけ強力な刺客となったのが1981年にホンダからリリースされたCBX400F。独得なエキゾーストの取り回しやプロリンクサスなど、パフォーマンス追求イメージが硬派な勢いを感じさせ、独り勝ち状態へと持ち込んだのだ。
パフォーマンスはトップクラス、しかしイメージは鋭さを欠く……
だったらとヤマハが1983年に投入したのが、ヤマハでは水冷を表す"Z"を加えたXJ400Z。
最高出力55ps/11,500rpmとクラス最強、もちろんDOHC 16バルブでYICSの吸気を4気筒間で補完し合うXJ譲りの新機構に、何より水冷でコンパクトなエンジンと、仕様としては闘うに充分な武器揃い。
しかし勢いに乗るCBX400Fに対し、ビッグバイク的な華麗さをイメージさせるデザインなど、硬派に見えなかたからかマーケットでの反応は薄かった。
XJ400の王座継承ならず!
XJ400ZにはミニカウルがついたZSバージョンが追加されていたが、起死回生をはかり翌1984年にはヨーロッパで人気のフルカウルに近い仕様で、XJ400Z-Eを投入。
しかし時代はレーサーレプリカ的な方向へ加速していて、こうしたツーリング・イメージは国内マーケットの反応はほぼない状態。
同時期の1984年は、ヤマハが爆発的なヒットを飛ばしたFZ400Rがデビュー、まさに時代の寵児として人気を獲得している状況で、XJ400ZやXJ400ZSは生産を終了する短命に終わったため、現在も中古車市場でまず見かけることのない希少車となっている。