エンジンからシャシーまで全てオリジナルの設計製造を目指しフランスで1997年創業、2014年にType1を発表し受注生産を続けている
現在フランス西部、パリから130kmのアンジェ市にあるMIDUARUは、オリビエとフランソワのミディ兄弟が1997年によって設立された、完全オリジナルのスペシャルバイク・ブランド。
1999年にパリモーターショーで、オリジナル前後水平対向エンジンを積んだ初のMIDUAL900を発表したものの、その後の資金集めが順調に運ばず、ようやく2007年にアンジェ市に工場を開設してからの2014年、アメリカはカリフォルニア州のペブルビーチ・コンクールデレガンスに新しい斬新なモノコックシャシーに積んだ Type 1をリリースしたのだ。
発表された価格は155,000ユーロ。様々オプションを含めると170,000ユーロまで設定されているという。
いまもヨーロッパ各国で、モーターショーや富裕層向けスペシャルカーのオークションなどに展示、オーダーに応じて1台ずつオリジナルのカラーや細かな装備の違いを施したスペシャルマシンを世に送り出している。
最大の特徴は、何といっても前後方向に水平対向となるボクサーエンジンだろう。
水平対向が前気筒で25°に下を向き、重量配分や重心位置に前後長でコンパクトに搭載できる設計だ。
発表されたボア×ストロークは100×66mmで1,036cc、DOHC水冷4バルブ燃焼室の圧縮比12:1による出力は、106PS/8,200rpm、102Nm/5,500rpm。潤滑はドライサンプで大型のオイルクーラーをマウントしている。
そしてエンジンの切削加工から組み立てまで、自社工場で完遂する一貫作業となっている。
シャシーは燃料タンクを兼ねたアルミのモノコック
シャシーはアルミ鋳造で燃料タンクと一体化したモノコック。MIDUAL900のときはパイプフレームだったが、さらに理想の構想に近づけた設計で、これもエンジンと同様に切削加工から磨き仕上げまで社内作業だ。
シート高は800mm、ホイールベースは1,505mm、キャスター角が24°~25°で可変、これに伴いトレールも100mmを中心に前後する。車重は装備で239kgとなっている。
サスペンションは前後ともにオーリンズ製だ。
またMIDUALの個性として、タンク上面に並ぶ各種メーターとこれを囲むレザーパネルが、サイドのニーグリップ部分とも併せてカラーを選ぶようになっている。
このレザーパネルをはじめカラーリングの配色はオーダー制で、2021年に新しいR&Dと工場建設により10名の作業で順調な生産が続けられている。
このため基本の構成であれば2ヶ月で入手可能、すべてを完全カスタマイズとなると5ヶ月を必要とする。
▶▶▶MIDUALへの問い合わせは:contact@midual.com