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真っ赤な車体色がいかにもイタリアン、とはいうけれど、なぜイタリアは赤なのか?

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4輪モータースポーツの「ナショナルカラー」で
イタリアに割り当てられていたのは赤

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イタリアを代表するバイクメーカーといえばドゥカティ。そのラインナップされているパニガーレやモンスターにストリートファイターなど、居並ぶのは真っ赤なバイクばかり。
スーパーカーの世界でも、頂点に君臨するフェラーリも真っ赤なイメージ。
ということでイタリアといえば赤を思い浮かべる人が圧倒的に多い。確かに熱い思いの詰まったチャレンジングなバイクには、熱血の赤がふさわしいとは思うが、なぜイタリアが赤なのか?そこにどんな根拠があるのだろうか?

じつはかつて4輪モータースポーツで「ナショナルカラー」、つまりF1をはじめ国際レースを統括するFIA(国際自動車連盟)によって国別に指定された車体色があったのだ。
そこでイタリアに割り当てられたのが「赤」で、100年以上も前に国別対抗に参戦していたアルファロメオやマセラティは真っ赤に塗装されていたというのがはじまり。これも1960年代終盤にスポンサーカラーを纏う時代となり、このナショナルカラーの伝統が薄れてしまった。それでもアルファロメオから独立したフェラーリは、F1をはじめ生産するスーパーカーも真っ赤を守っているというわけだ。
因みにフレンチブルー、ブリティッシュグリーンと車体色にいまも呼び名が残るように、フランスは青、英国は緑で、ある年代層はその車体色に頬が緩むというのをご存知かも知れない。

そもそもイタリアの緑/白/赤の三色旗も、ナポレオンがイタリアに遠征し小国を統合したとき、フランス国旗をベースに緑は国土と自由、白は雪と平等、赤は情熱と博愛を表すと制定し、その後も国家統一の象徴となり1861年に正式な国旗となった経緯がある。
こうした背景から国旗の赤の部分と重ねて、イタリアを情熱の国とする人々が多いのは当然なのだろう。

創成期のドゥカティは
先輩のモトグッツィとの差別化で赤を避けていた

そのイタリアンレッドを纏う代表選手のドゥカティ。バイクメーカーとしてスタートしたのは戦後で、スポーツバイクで頭角をあらわしたときの車体色は意外にもシルバーなど渋い色合いがほとんどで「赤」は存在しなかった。
イタリアで赤いバイクといえば、戦前からモトグッツィが好んで使用していたこともあり、イメージ的には新進気鋭のドゥカティには後塵を拝している意味も含め赤を使う気は全くなかったという。
それがスーパーバイクで851が世界タイトルを獲得したあたりから、イタリアを代表するメーカーとして、フェラーリと肩を並べ誇らしげにイタリアンレッドを纏うようになり現在に至っている。
というドゥカティだからこそ、皆と同じ「真っ赤」ではなくマットブラックだったりオフホワイトの車体色を選ぶユーザーも増えている。あなたはドゥカティのオーナーになったらイタリアンレッドを選ぶ派ですか?

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創成期の代表で日本車に唯一対抗できたと評価されていた750SSもシルバーと地味な塗装だった

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戦前のモトグッツィはイタリアを代表するメーカーで赤色が標準だった

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ヤマハをパリダカールへ誘ったのはフランス・ヤマハのソノート。世界GPでもスポンサーのゴロワーズと共にフレンチブルーを守り続けた

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英国といえばロータスF1のカラーが懐かしいブリティッシュグリーン、そこに英国らしさを感じる人は少なくない