A.機種数も生産台数も多かった'80年代のオートバイはいかがでしょう
スーパースポーツに乗っていますが、もう少しゆっくり楽しめるオートバイが気になり始めました。
しかし最近流行りの'80年代オートバイはただ年式が旧いだけ? とも思えてしまいます。
だったら'70年代の本当のクラシックを買ったほうが? 迷っているのですが……
'70年代のオートバイはある程度の覚悟と知識が必要
昔からのオートバイらしさを感じさせるものが欲しくなる……ライダーなら一度はそんな気運になることがありますね。
確かに'80年代のオートバイは、空冷4気筒とかデザインもトラディショナルなものが多く、心魅かれるモデルがたくさんあります。
気になっていらっしゃるオートバイは、このあたりの年代が中心で、初代CB750Fourや初代Z1とかの'70年代となると、本当のクラシック系に含まれてきます。
明確に線引きするのは難しいのですが、'70年代の大型スポーツ初チャレンジの頃は機種数も圧倒的に少ないため、希少で価格も高いということがまずあると思います。
それに詳しくないと、どの状態が調子が良いか? どれがオリジナルなのか? などの判断ができにくく、メンテナンスも相応に経験が必要となります。
あと、忘れてはいけないのはノーマルのブレーキは、現在の交通事情にあっていなく、お世辞にも効くとはいえません。
知識は必要ですが、それほど覚悟しなくても楽しめるはず
対して'80年代以降は、ライバル急増で機種数も多く、それぞれに生産台数も増えたので、比較的手に入れやすい価格(そうはいっても年々高価になっていますが……)が多くなります。
さらに点火系をはじめ各部の機構が現在と近いなど、メンテナンスにしても一般的な経験があれば可能で、裾野が広くなっていることも大きな違いでしょう。
ということで、'80年代以降のオートバイのほうがフツーに楽しめるように思えます。
この世代はタイヤサイズも、前輪16インチとか特殊なケースがありましたが、現在リプレイスタイヤがほとんど存在しますし、当時のタイヤよりはるかに乗りやすい性能なので、意外なほど身構えることなく楽しめます。
エンジン特性にしても、パワフルな最新モデルに乗られてきた感性には、物足りなさより親しみやすさのほうを感じられると思います。
ハンドリングにしても、最新モデルのような鋭さはありませんが、リーンしていく速さなども掴みやすく、神経を尖らせて乗るということもないはずです。
ブレーキにしても、クラシック系にありがちなヒヤッとするということも、まずありません。
それとこの世代はアフターパーツも豊富。現代のオートバイよりも規制も厳しくないため、マフラーをはじめとして今からでもカスタマイズを楽しめるます。
'80年代のモデルは現代的なメカニズム
'70年代前半のモデルに比べ、完成度が高まった'80〜'90年代のオートバイ。ビッグバイクならではの迫力は十分。'70年代のオートバイに比べると各部の機構も現在のものに近い
信頼できるショップや仲間を探してみよう!
もちろんバリューとしてクラシックバイクの希少さは、誰もが認めるものがあるので、そちらを選ばれるのも悪くはないと思います。
その場合は、専門知識が豊富なショップが必須ですから、優先すべきはショップ探しだったりします。オリジナルパーツも希少なので、何かあれば驚くほどのコストがかかることも覚悟しましょう。
ただ最近は、オリジナルパーツにこだわらなければリプロダクトパーツも豊富ですから、スタイルや美しさを維持することは可能です。
どんなスタイルで楽しいみたいか⁉︎ それをよく考えてから青春時代のオートバイを楽しむのが良いと思います。
- Words:
- 根本 健
- Photos:
- カワサキモータースジャパン