あのレジェンドの佇まいを最新テクノロジーで走らせる!
BITO R&Dといえば、カスタムパーツでマフラーはもとより鍛造ピストンからカムシャフトなどエンジン全般に、FCRレーシングキャブレター、前後の専用サスペンションに加えて世界的に名高いマグ鍛ホイールまで製造する、すべてのコンポーネンツをチューンするハイエンドなブランド。
旧車ファンならそのチューンで頂点イメージのFCRキャブレター、鍛造ピストンを使ったボアアップ、カムシャフトはもちろんマフラーに至るまで、BITO R&D 製品を組み込むことがステージの高さを意味するのはご存じの通り。
なぜそこまで孤高の信頼感があるのかといえば、主宰する美藤さんのキャリアを知れば納得するに違いない。
アメリカのヨシムラでAMAスーパーバイク、ヨーロッパでスズキの世界選手権耐久レース、さらにはホンダHRCでの世界GPチームと最高峰での経験で得たノウハウがベースだからだ。
それはこれらのコンポーネンツ開発も兼ねた、コンプリートマシンに乗れば瞬く間に納得させられる。
最新ネイキッドよりバランスの良い 安定感と扱いやすさで楽しむ醍醐味!
レジェンドバイクの王者ともいうべき存在のカワサキZ1。BITO R&D のZ1コンプリートマシンは、φ76mmの鍛造ピストンを使用した1,197ccで、φ35のFCRキャブ、ヨシムラST2カムシャフトなどのチューンが施されている。
この仕様だけを聞けば、いかにもハイチューン・エンジンの神経質な半クラ発進やコーナーでのスロットルワークの難しさをイメージしがちだが、唯一アイドリングよりちょっと上の回転域だけ、FCRのレーシングキャブの特性でスロットルを大きく開け過ぎると加速できない領域があるくらい。
そこを過ぎれば大袈裟でなく最新電子制御のインジェクション並みに、欲しいだけスロットルを捻れば良いというイージーライディングだ。
むしろ多用する中速域などは、トラクションが効率良くバイクを押し出せるよう、足回りのレスポンスとピッチの合った、タイムラグではなく立ち上がりの過渡特性がジワッと路面を掴んでグリップしながら旋回を強める、この全体の効率と何よりライダーのコンフィデンス、操れている自信を深める手応え足応えに包まれる。
この人間の感性に馴染みやすい特性こそ、世界チャンピオンが求める積極的なライディングに不可欠な要素で、実はビギナーにも共通の乗りやすさとなるのだ。
探りながら開けるようなエンジンでは、思いきり闘えないからで、トップエンドのプロでも不安がない状態のほうがポテンシャルを引き出せる……それを目の当たりにしてきた美藤さんならではの絶妙な設定が伝わってくる。
とりわけ痺れるのがFCR35φの大口径レーシングキャブレターの完璧なセッティング。吸気速度の遅い低回転域でも1/4~1/2開度であればSTDのキャブや現代のインジェクションと変わらない扱いやすいフィーリングで、ちょっと開けただけで呼び出せる独得な力量感は感動モノ。
ジェットニードルやニードルジェットなどの設定が装着車輌の特性に細かく対応できている証しで、このノウハウは一朝一夕で得られない。レベルの高いチューニングの、高次元な満足感で充たされながらの走りはご機嫌そのものだ。
開発された様々なパッケージの集合体
BITO R&Dのコンプリートマシンの素晴らしさは、エンジンチューンのプロならではのシリンダー加工からクランクケース仕上げに至るハイエンドクオリティに加え、足周りを含む車体チューニングとの組み合わせで得る総合的なレベルの高さにある。
試乗したZ1は、前後18インチで扁平率がワイドではない車体に合ったラジアル仕様と、人気の自社製で超軽量なマグ鍛ホイールの組み合わせ。フロントフォークもリヤサスも、専用の仕様で設定されているため、すべての挙動に一体感を伴う信頼感に包まれる頼もしさ。
前後輪のグリップ感を伝えやすいようハンドル形状やステップの位置までこだわっているため、常に多過ぎない情報の安心感がベースにあり、バイクとの対話を楽しみながらのライディングに終始できるのだ。
感覚的には路面にやや押しつけたような感性の安定感が特徴で、いわゆる軽やかな動きの運動性ではない。
ブレーキやスロットルに体幹の重心移動など、きっかけを与えると即座に反応するカッチリとしたレーシングマシンに似た操作感だ。
アメリカのAMAスーパーバイクから、世界耐久選手権に世界GP最高峰クラスでマシンセッティングに明け暮れたキャリアから、唐突な変化ない一定の過渡特性を優先した、熟知した末のノウハウが反映されたハンドリングの安心感が素晴らしい。
そもそもがレジェンドZ1であったのを忘れ、無我夢中にさせる硬派なスーパースポーツの1台としか思えない別世界を贅沢に味わえるスペシャルマシンだ。
このコンプリートマシン、他機種でも用意されているいて、BITO R&Dのホームページから、JB-POWER Complete machineのページで確認できる。
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