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エンジンがかからない大半はバッテリー問題【ライドナレッジ048】

Photos:
SHORAI JAPAN,iStock

エンジンがかからない、そのほとんどがバッテリー上がり

IGNキーを回してニュートラル・ランプが明るくなくて嫌な予感。セルボタンに触れても何の音もしない、もしくはカチッとセルモーターが動こうとする作動音はすれど回らない……。
バッテリーは電圧が下がりすぎると、いわゆる「バッテリー上がり」といわれる状態に陥る。
このエンジンがかからない状態を何とかするには、
1)ジャンプコードというバッテリーのターミナルを挟める大きなクリップのついた電気ケーブルで、他のバイクやクルマのバッテリーと繋いでその電圧でセルモーターを回す。
2)バッテリーを外して専用の充電器へ繋いで電圧が上がるまで蓄電されるのを待つ。
まずこの選択肢しかない厄介な状況だ。昔のバイクならセルモーターは回らないが点火プラグに火は飛ぶくらいの電圧は残っているかもと押し掛けスタートを試したりしたが、いまは燃料噴射で燃料ポンプや電子制御がセットで稼働するためほぼ不可能と思うしかない。
ジャンプコードもバイクショップやガソリンスタンドでしか用意がない。これも専門知識がないまま繋ぐ順番や+電極と-電極を間違えると救援側のバイクも壊しかねない。
バッテリーを外して充電といっても、自宅にそんなモノ持ってないだろうから、バイクショップやガソリンスタンドまで持参して1時間とか充電してもらってから持って帰って取り付けるので、かなりの時間ロスというか、ツーリングへ出かける朝だったらもう中止にするしかないだろう。
そしていったんこうなったバッテリーは、充電されても直ったワケではなく、すぐまた同じことが起きる可能性がとても高い。
せっかくの休みに、ツーリングへ行けなかったり、出先や宿泊先で帰れなくなることを考えたら、充電済みの新品バッテリーを買ってきて交換しておくのが一番だ。ただ機種によって細かくサイズも異なるので、事前に型番など確認してから調達する必要がある。

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バッテリーの寿命は長くない

バッテリーはセルモーターで蓄電を費やしても、走行中に発電器を回しているのですぐ充電され元の状態へ復活する。エンジン排気量や製造された年代によるが、ライトが点いていたりする電力消費もバッテリーからではなくエンジンが回している発電器で供給している場合もあるほど、バッテリーには負担をかけず寿命を延ばす設定になってきている。
とはいえMFバッテリーと呼ばれる電解液の補充が不要の封印されたメンテナンスフリー化などでも寿命は延びたものの、結局は中にある電気を貯めておく鉛の極板が徐々に減って、蓄電量はどこからか一気に低くなりこれでバッテリー上がりを起すようになる。
それに新車から装着されていても乗らない時間が長いと、使っていないのに放電してしまうのがバッテリーの特性で、2年もすればそろそろバッテリーあがりを起しても不思議ではない。
ということでしょっちゅう乗っている人でも3年は厳しく、思いきってそれ以前に新品へ交換しておくのがお奨めだ。

リチウムイオンバッテリーも選択肢に入ってきた

この自動車業界で長きにわたり主役だった鉛バッテリーだが、他の電気製品ではとっくに主役になっているリチウムイオンバッテリーも、オートバイ用で用意されるようになってきた。
これは使っていない時間が長くても放電しにくいので、久しぶりにエンジンをかけても勢いよくセルモーターが回る、頼りになる存在だ。標準バッテリーより同じ性能でグッと小型で重量も驚くほど軽い。寿命も遙かに長いので、安心を買いたい人にはお奨めしておきたい。

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日本製で入手できるSHORAIバッテリーには多様な型番に適合する種類が用意されている。重量は元の鉛バッテリーの1/5ほどしかない