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このバイクに注目
SUZUKI
SV400/S
1998~2006model

スズキのVツインSV400は少数派を覚悟しながらコストをかけ趣味性とパフォーマンスで秀逸な仕様に!【このバイクに注目】

Photos:
スズキ

アルミのトレリスフレームとビッグボア・ショートストロークの瞬発力で、4気筒勢と並ぶスポーツ性の高さを知る人は少ない……

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1990年代の国内400スポーツは、並列4気筒(直4とも呼ぶ)のネイキッド・ブームで、スポーツ性や趣味性を追求するモデルが極端に少なくなった。
そこへ1998年にスズキが水冷DOHCの400ccVツイン、SV400SとSV400を投入したのだ。
このモデル、実は1年後にリリースしたSV650の先行量販車。
SV650は、世界戦略バイクとして車名も変えながら現在も継続している記録的なプロジェクトのはじまりだった。

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ボア72.0mm×ストローク49.0mmの90°Vツインは、53ps/10,500rpmと高回転型スペックだが、トルクは4.2kgm/8,000rpmの400ccクラス最強。
400ccでここまで大きなボアと小さなストロークの組み合わせは稀で、ツインの瞬発力を感じさせるレスポンスと、扱いやすくコーナーでのトラクションを楽しめるトルキーなエンジン特性を目指していた。
実はTL1000系と同じく、DOHCの排気系カム軸だけやや低くレイアウトして、フロントバンクと前輪の干渉を減らし、エンジン重心位置で少しでも前輪荷重を稼ごうというハンドリングの追求が半端ない設計。
さらにアルミ製パイプでトレリス構成とする贅沢で軽量かつ強靭なシャシーを備え、乾燥重量は163kgと4気筒勢とは比較にならない軽量仕様だ。

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SC400Sはハーフカウルを装着したセパレートハンドルと、スーパースポーツではないものの親しみやすいツーリングスポーツをアピールしていたが、何せ国内では馴染みのない400Vツインでは、そもそもイメージしにくい存在。
バーハンドルのセミアップ・スタイルのカウルを持たないSV400に至っては、さらに想像もつかないキャラクターとなり、デビューしてから注目を浴びないままが過ぎていった。
ただ乗ればわかる、リーンアングルの大小に影響をうけにくい超ニュートラルなハンドリングと、小気味良いレスポンスと旋回加速の醍醐味が存分に楽しめるエンジンとシャシーは、ベテランには安心して身を委ねられる希有な特性として評価が高かく、隠れた傑作バイクと一部のファンに愛される希少なバイクだった。

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こうして理解されないまま、Sモデルから先にフロントをダブルディスク化するマイナーチェンジをうけたが、一旦は国内向けの生産を休止している。
他方ヨーロッパでは、トラディショナルな街並みに合うデザインを採り入れたSV650に合わせ、2010年にGRADIUSというシンプル且つネオクラシカルな造形のシリーズとして再スタートを切った。

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このSV650を起点とするスズキのミドルVツイン実績は、ツーリング需要に特化したVストロームを派生し、これも大きな拡がりを生みながらいまも主要カテゴリーを形成している。

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これまでの長期間、バリエーションを増やしながら多くのライダーに愛されてきたスズキのSVシリーズは、その確かな信頼度と共にいまも安心してお奨めできる現役レジェンドバイクとして価値あるモデルだ。