bmw_k1_20251027_main.jpg
このバイクに注目
BMW
K1
1989~1993model

K1はBMWが夢に描いた1990年代のスーパードリームバイクを実車でリリース!【このバイクに注目】

Photos:
BMW

フロントフェンダーのロゴが乗車すると一体化する空力最優先のデザイン!

bmw_k1_20251027_01
bmw_k1_20251027_02

1988年秋、BMWはIFMA(ケルンショー)でK1と呼ばれる衝撃的な1,000ccドリームバイクを発表した。
ベースは1983年に市場投入されたK100RS。空冷ボクサアーが、将来の排気ガス規制をクリアするにはあまりに非力と2輪撤退を検討、けれどもクルマメーカーとして成功したBMWのルーツは残そうということになり、水冷DOHC4気筒のフューエルインジェクション・エンジンを縦置きで90°シリンダーを寝かせる独自の設計思想で誕生したバイクだ。
このK100RSを発表したまさに同時期、BMWは独自のスーパースポーツというか、四輪でいうとスーパーカーに相当するフラッグシップを模索、そのデザイン・スタディで思い描いたフォルムを5年後に実際のカタチにしたのだ。

bmw_k1_20251027_03
bmw_k1_20251027_04

大きなカウルは、ライダーが乗車した1G'状態にサスが縮むと、大きく描かれたK1のロゴが、カウル側面とフェンダー側面とで繋がるようグラフィックに工夫を凝らしたこだわりデザイン。
エンジンはK100RSをベースに気筒あたり4バルブ化、67mm×70mmの987ccから100ps/8,500rpmと10.13kgm/6,750rpmへチューン。
また駆動系を空冷ボクサーで採用していた平行リンクを介したパラレバーで、加速時のテールリフトを抑えるシステムも組み込まれている。

bmw_k1_20251027_05
bmw_k1_20251027_06

これだけの装備なので車重は258kgと相応だが、走るとシリンダーを横へ寝かせた低重心とロールセンターにマスが集中している効果で、リッターバイクとは思えない軽快な走りが得られていた。
とくにカウル下側が斜めに処理されているのが、深くバンクしてもステップもカウルも擦らない設定としたあり、それがタンデムしているときでも変わらないというのもBMWらしさとして共感を呼んでいたのが忘れられない。

bmw_k1_20251027_07
bmw_k1_20251027_08
bmw_k1_20251027_09
bmw_k1_20251027_10

こうしてK100RSをベースといっても、外観からそれを伺わせないほど違ったフォルムを纏ったK1は、1993年までの生産で7,000台ほどが世界へデリバリーされた。
スーパーカー的な位置づけは、バイクファンの心を直撃はしなかったが、ともすればタンクマークを隠したらどのメーカーのバイクだかわからない……というほど似てしまう日本製スーパースポーツに対するマイノリティとして、敢えてK1オーナーとなったライダーの数はけして少なくなかったのだ。

bmw_k1_20251027_11