2025モデルでブレーキ面積の拡大と放熱を向上、GP4キャリパーも適正化を進める!
世界のブレーキ・システムでトップブランドのBREMBO(ブレンボ)は、先のEICMA2024(ミラノショー)で、MotoGPマシンの2025シーズン用にサイズアップした新型と、従来のGP4も適正化をはかったモデルを公開した。
新型はパッド面積を周方向へ拡大し、119.4㎠(2024モデルは102.9㎠)と16%接触面積をアップ、この面積アップは制動力強化だけでなく、熱の急速な放出が促進され、パッドの摩耗がを改善、長時間の性能安定化に貢献するという。
この強大になった応力に対応するため、取付ピッチも108mmから130mmへとピッチ(間隔)が大きくなっている。
またブリーダー(エア抜き)の位置と方向が、整備性の向上をはかるため改良された。
単体の重量はパッドを含め僅か847gに抑えられている!
また2020年シーズンから使われてきた冷却フィンのついた特徴的なデザインで知られるGP4も、2025シーズンに向け適正化がはかられていて、11のMotoGPチームと22人のライダーたちは、上記の新型と最新GP4のどちらを使用するかを選択できる。
こちらの単体重量も、108mmピッチのコンパクトに収まるため、パッドを含め810gと軽量化されている。
NewProパッケージとNewPro+パッケージも進化!
またスーパーバイクをはじめ、一般で使われるスーパースポーツバイク向けのProパッケージとPro+パッケージも、2025モデルで進化を遂げた。
NewProパッケージは、T-Driveフィン付きローターとニッケルメッキのHypureキャリパーで構成され、冷却フィンの放熱面積が拡大される効果で動作温度を低く保てるとのこと。
NewPro+パッケージは、GP4SportProductionキャリパーで構成され、丸ピンではなく軽量で自由度のあるT-Driveフィン付きローター相乗効果を発揮している。
サーキットで育まれたこの削り出し切削加工のアルミニウムモノブロックキャリパーは、超精密なCNC加工で剛性と軽量化で比類のないレベルを達成、ニッケルメッキは耐腐食性を高めるだけでなくブレーキングによる猛烈な発熱を効果的に放散する役割も担っている。
ご存じのように、BREMBOは10月にスウェーデンのサスペンションメーカーのオーリンズ社を買収する契約を発表した。
現在規制当局の承認を待っている段階だが、順調に運べば2025年初頭には完了する見込みだ。
ヨーロッパをはじめ、全世界の自動車産業は膨れ上がるいっぽうの開発費用や、電力などエネルギー資源の高騰に加え、経済状況の激動による販売成績の不安定な状況により、お互いメリットの高いブランド同士による強固な経営基盤の確保が命題になっている。
そうした中で、世界で様々に資本を買い継がれてきたオーリンズの安定化は、スポーツバイクファンにとっては大きな安心材料として歓迎されている。