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力むとタイヤのグリップや安定性はこんなに損なわれる!【ライドナレッジ070】

Photos:
折原弘之,藤原 らんか

たとえば段差乗り越えで、身体の硬直と柔軟なときを比べてみれば

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段差を乗り越えるとき、上半身から下半身まで全体に力んでいると、ご覧のように路面からの突き上げで車体からライダーの体重が抜けたり加わったりして、タイヤの路面との面圧が変わってしまう。これは路面追従性つまりグリップを損なう

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同じ状況で上半身や下半身からチカラが抜け柔軟に対応できると、ご覧のように車体に加わるライダーの体重も変化しにくい。タイヤの路面との面圧も変化しにくく、グリップも安定性も損なわれにくい。もちろんコーナリングでも起きていることは同じだ

よく両腕や両肩にチカラが入っていると良くないとか、力まずにリラックスして乗るようにいわれる。何となくそのほうが良さそうだが、緊張するとそうはいかないので、慣れたらそうできるようにしよう……。
いやいや、これはすぐにでもチカラを抜いた状態で乗る努力をするべきで、何もビギナーだけでなくキャリアを積んだライダーでも、コーナリングで思わず下半身や腕で力みがちな状態も同じで、上のイラストにあるように常にこうした変化が起きていることを忘れてはならないのだ。

路面には無数の凸凹や段差が続いている

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どんなに平滑にみえる路面でも、実は小さな凸凹や段差の連続で、そこをある程度以上の速度で通過すればタイヤはとてつもない頻度で上下に激しく動いている。コーナリングでもこれが変わるワケもなく、ライダーが柔軟に操作をしているか否かで路面追従性、つまりはグリップできる条件が大きく左右されているのだ。上半身、とくに背筋のある背中で大きな振動はクッションして吸収し、下半身もリラックスして大事な体重が車体を通じてタイヤへ効率良く押し付けられるようキープするのが先決。
グリップ力はもちろん、大きく荒れた路面に遭遇したときなど安定性を左右する鍵も握っている。
くれぐれも力まずリラックスして、常にシート座面へ体重がシッカリと載った状態をキープできる状態を心がけよう!