性能、品質、耐久性。そのすべてを向上させるのがNewハヤブサの使命だった。そのためにエンジンも車体も様々なトライ&エラーを繰り返した
鈴木俊宏代表取締役社長も180km/hでテスト!
大排気量エンジンを搭載した、威風堂々とした巨体−−。
フラッグシップはパワーや加速力に注目されるが、いまはスーパースポーツほどスペック至上主義ではない。
作り込みが重視される。
一昔前、フラッグシップと言えば、「世界最速」「300km/hオーバー」そんな直球勝負のバイクづくりが行われていた。カワサキの独壇場だったその“最高速ウォーズ”の市場に、1999年スズキのハヤブサが参入。長らく世界最速に君臨した。
今回のNewハヤブサが、皆さんにとって期待通りだったか、期待以上だったか、期待以下だったか……それは人それぞれだと思うが、見るほどにロングセラーとしての資質を磨き込んできたことがわかる。
開発途中のハヤブサに鈴木俊宏代表取締役社長が試乗。ハヤブサで180km/h出すって相当のスキルが必要だし、そもそも好きじゃないとできないこと。動画でも冒頭に鈴木俊宏代表取締役社長が登場する。スズキにとってハヤブサは、そういうポジションのバイクなのだ
「次のハヤブサはどうやろう? 設計者&開発者が悩みに悩んで出てきた答えがこれだよね」動画の中でNewハヤブサに試乗した鈴木俊宏代表取締役社長が言う。「180km/hでも安定、普段使わない領域でも安定している」社長がNewハヤブサに試乗しているだけでも驚きだが、180km/h出していることにも驚かされる。でも、社長がこうしてNewハヤブサに乗っているのは、バイク好き、スズキファンにとってとても嬉しいことだ。
Hayabusa| Official development team interview video : Poised to Create a New Legend | Suzuki
過給機も6気筒もテストしてきたけれど……
さすが、ハヤブサだけに事前の噂話はたくさんあった。過給機が付くんじゃないか、排気量が上がるんじゃないか、いやいや6気筒だ! でもそのどれもがある意味事実で、どれもテストまでされ消えていったと言うのだ。
テストした結果「現行モデルに勝てるものがなかった」だから、エンジンは従来のものを熟成させる方向となった。
Newハヤブサのエンジンの排気量は先代と同一。だが、中身は別物。すべてが見直されているといって良いだろう。
フレームも同じく他のものもテストした。膨大な数のトライ&エラーを繰り返したが、変えないことをアイデンティティとしたのだ。
正直、言うと僕は、Newハヤブサの発表の瞬間は「期待通り」と「期待以下」の中間くらいの感情だった。
でも、こうして動画をみたり走りを想像するとその気持ちはどんどん膨れ上がり「期待以上」になっていくのだ。
カウリングのメッキパーツの部分が太ももと足にかかる風を低減。薄暗い中でもキラッと光り存在感を主張する。空力性能と冷却性能を高い次元でバランスさせている
Newハヤブサはどこまでも優雅だ。
開発陣は、10年、20年、10万キロ、20万キロ乗れるバイクをつくってきた。フラッグシップとしてのそんな本質を追求してきた。
いま、Newハヤブサを手に入れたオーナーは、5年後、10年後、どんなバイクライフを送っているだろう? そんなライダーの進化や変化に合わせて電子制御を充実させた。
・こんな凄いバイクに乗れるのだろうか?
・スキルを磨き、サーキットで大パワーを解放させる!
・大パワーは疲れたけれど、優雅にロングツーリングをしたい
ドキドキ感もアグレッシブさも、コンフォートさもすべて最新の電子制御が補ってくれるだろう。
Newハヤブサは、その時のキャリアや気分、体力に合わせて自分好みに仕上げていくことができるのだ。
大事なのは何年先になっても、新しいバイクが横に並ぼうと卑屈になることはないことだ。
ハヤブサはそういうバイクだ。常に威風堂々と構えていれば良い。
確かにスペックは前モデルと大きな差はない。でもNewハヤブサはすべてに手を入れ、スポーティさの中に豪華さと優美さを備える。ハヤブサらしさとは何か? それをひたすら追求してきた。
ツーリングもワインディングもサーキットも前モデルから勝る部分しかないという。
試乗できる日が楽しみでならない。
電子制御はライダーに違和感なく機能させることを追求した。5年、10年、スキルに合わせてバイクのキャラクターを変えていくことが可能だ
SPEC
- フレーム
- ダイヤモンド
- 車両重量
- 264kg
- シート高
- 800mm
- 燃料タンク容量
- 20L
- 価格
- 215万6,000円~