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このバイクに注目
SUZUKI
GS1000S
1979~1980model

GS1000Sは4スト最後発のスズキが瞬時に頂点で肩を並べた象徴だった!【このバイクに注目】

Photos:
スズキ

パフォーマンスと信頼性アピールで欠かせなかったレース・イメージ!

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1976年、スズキは日本4メーカーの中で4スト化が最後発となっていたが、カワサキZ1~Z2に遅れること2年でDOHC4気筒のGS750をリリース。
併行してトップエンドで肩を並べる1,000ccの開発も進めていて、1978年にGS1000が登場した。

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空冷2バルブDOHCの4気筒は、クランクシャフトのメインベアリングを、4ストでは一般的なメタルのプレーンベアリングではなく、2ストと同じボールベアリングひとつとローラーベアリングが3つ奢られた構成だった。
このためクランクシャフトは2ストのように組み立て式で、ボールとニードルが組み込まれた軸受けの耐久性と耐摩耗性は疑いようもなく高かった。
これは後にヨシムラへレースチューンのコラボを持ちかけたとき、POPヨシムラがこのマージンの大きさにひと目惚れ、ふたつ返事で引き受け歴史に刻まれた一大ストーリーがスタートするきっかけにもなったのだ。

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スズキは後発であるイメージなど吹っ飛ばそうと、パフォーマンスと信頼性をアピールするため、積極的にレース活動へ邁進した。
アメリカのAMAシリーズや鈴鹿8時間耐久レース、ヨーロッパでは盛んな24時間耐久レースなど、多くのファンにスズキのポジションアップを瞬く間に意識させ、益々勢いづいていたのだ。
当時はじまったばかりのキャストホイール装着にも積極的で、最先端最新で突き進むイメージがさらに浸透していった。
フラッグシップのGS1000も、ネイキッドのレースシーンをイメージさせる機能美オンリーの硬派な出立ちで、海外のスポーツファンの心をガッチリと掴まえるのに成功していた。
そしてAMAレースに出場していたマシンのイメージそのままに、マスコットカウルを装着したGS1000Sを1979年からラインナップ。 翌1980年にはグラフィックを変更して販売を継続していた。

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初代GS750のパフォーマンスは、65mmのボア×56.4mmのストロークで748cc、68ps/8,500rpm、6.0kgm/7,000rpm。
対してGS1000は、70mmのボア×64.8mmのストロークで997cc、90ps/8,000rpm、8.5kgm/6,500rpmで、GS750のエンジン幅のまま排気量アップしていたのと、キック関係を取り去るなどして乾燥重量は238kgまで軽量化を果たしていた。

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スズキはこのタイミングで一気に4スト化の流れをつくろうと、1976年には国内向け2気筒のGS400をリリース、続いて翌1977年に海外で需要の大きなミドルクラスへGS550を投入するなど、その急ピッチぶりにライバルメーカーを慌てさせていた。
しかしこの全てが初めての挑戦に対し「全負荷連続2万km耐久テスト」をクリアする至上命令のもと、苛酷なテストをクリアした実績がモノをいったのはいうまでもない。
この息もつかせないピッチで進む急展開は、すぐに4バルブ化のGSXシリーズへと繋がり、全世界を衝動に巻き込んだKATANAのリリース、さらには油冷GSX-R750、2ストのレーサーレプリカRG250Γ等々、まさにチャレンジ魂の塊のまま延々と続いていったのだ。