kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_main.jpg
このバイクに注目
KAWASAKI
ESTRELLA
1992~2018model

単気筒ロングストローク専用エンジンらしくエストレヤのRSに多かった英国調トラディショナル!【このバイクに注目】

Photos:
KAWASAKI

26年間に記録的な多数のカラバリでマイノリティ感たっぷりの英国ビンテージ調!

kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_01

カワサキは1992年5月に250単気筒のエストレヤを発表、以来2018年までの記録的なロングランモデルだった。
デビュー当初は鞍形シートとセパレートのタンデムシートが装着される超レトロなスタイルだったが、1995年にロングシート(2人乗りを表すWシートとも呼ばれた)装備のRSモデルが加えられ、兄貴分のW650が1950~1960年代の英国調に倣ったように、エストレヤにもRSとフロントがドラムブレーキ仕様のRSカスタムで、BSAやマチレスにノートン風なトラッドスタイルがリリースされていた。

kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_02
kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_03
kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_04

トラディショナルやクラシカルなバイクといえば単気筒。
しかしシングルエンジンが売れるかどうかわからないこともあって、ほとんどがオフロードモデルからの転用が常套手段。 このカテゴリーのレジェンド、ヤマハSR400/500の単気筒もオフロードモデルのXT500がベースだ。
オフロードモデルは、マッドや瓦礫で方向転換にスパッと路面を蹴る俊敏なレスポンスが必須、それと凹凸を乗り越えるのにエンジンを路面に打ちつけたくないので上下に短いエンジン高も求められることからどれもショートストローク。
対してロードモデルのシングルはロングストロークに設定するのが、英国など伝統あるメーカーの王道。
低い回転域のトルクや高回転時のトップスピードを稼ぐためにも、クランクの慣性力を活用できるロングストロークが優位だからだ。
エストレヤは66.0mm×73.0mmと、明確なロングストローク。
249ccで20PS/7,5000rpmと2.1kgm/6,000rpmは、インレットポートのストレート化やバルブタイミングとマフラー構造の工夫に1軸の1次バランサーも駆使して、250ccなのにセカンドギヤで発進もできるトルクを優先した特性だ。
また見た目にもクランクケースからバーチカル(直立)にシリンダーがにょきっと聳えるカタチにこだわり、バランサーやセルモーターをシリンダー背面に置かず、クランクケース上面をフラットにしている。
左のカムチェーントンネルも、テンショナーの膨らみが美しくないとシリンダーヘッドの上部内側に置き、カムチェーンカバーを防振構造を兼ね内側にラバーを挟むゆとりを与えたデザイン。
左右で表情のまるで違うルックスに、逞しく粘るチカラ強さ、弾ける低周波エキゾーストノート……エストレヤはそもそもからカワサキならではのこだわりを貫く、全く次元の異なる単気筒といえる。

kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_05
kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_06
kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_07

かくして1992年の登場以来、上の2017年にリリースされたファイナルエディションまで、度重なる排気ガス規制も乗り越えながら、エストレヤは25年以上ものロングセラーとして不動の人気を獲得していた。
そもそもイヤーモデル毎に新色を展開することの多いカワサキだったが、エストレヤでは驚くほどの豊富なカラーバリエーションを展開していった。
実はどれも大量販売されるのを前提としないマイノリティ。
そうした割り切りだから可能になった英国調に、トラディショナルなイメージの中にも英国調に惹かれる層にとって、待ってましたと膝を叩きたくなる趣味性の高いデザインが登場していった。
そして何とビキニカウルを装着した、カフェスタイルまで加わったのだ。

kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_08

また1996年にはフロントフォークに蛇腹のラバーブーツを被せ、前後をドラムブレーキとした「カスタム」と合わせて4系統がラインナップ。
2000年にはRSとカスタムの2路線へ絞り込まれ、センタースタンドが装備され、ハンドル形状でカスタムのほうがややアップライトなポジションとなりやや高めの設定となった。
そしてご存じ2011年には排気ガス規制への対応で、キャブレター吸気からフューエルインジェクション(燃料噴射=F.I.化ともいう)となり、これを機にRSとカスタムを1本化され鞍形のシングルシートは見られなくなった。

kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_09
kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_10
kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_11

開発時から大人向けにクオリティにこだわったこともあり、耐久性を含めまだまだ稼働できるバイクとして、そして選べるカラーバリエーションも楽しめる機種として、中古車市場での人気は衰えそうにない。
もし英国調が気になるのなら、どのモデルも生産台数が多くないので粘り強く捜す必要があるが、それだけに楽しみにも深いモノがある。

kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_12

2017年にファイナルとなったロングランモデルでも、爆発的に売れたわけではないエストレヤ。
ラストはW1~W650で展開したカワサキのオリジナル・ビンテージで、懐かしむファンが多いスタイルで締めくくったのだった。

kawasaki_estrella_1992-2018model_20260319_13