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ピックアップ

ピレリDIABLO ROSSOの最新 Ⅳシリーズに、早くもCORSA(イタリア語でRacing)を発表!

DIABLO ROSSO Ⅳ(クワトロ)にCORSA誕生
レース用に迫る性能で扱いやすさを両立した新境地

昨年発表になったばかりのピレリDIABLO ROSSO Ⅳ(クワトロ)シリーズは、これまでⅠ~Ⅲまで進化してきた経緯をジャンプする大幅な技術改革で専門家を唸らせたばかり。これに早くもハイグリップバージョンとなるDIABLO ROSSO Ⅳ CORSA(コルサ)が発表となり、ある種の衝撃が走るほど注目を浴びている。CORSAはイタリア語でレースイメージの象徴で、トレッドデザインを ROSSO Ⅳ の稲妻グルーブの真ん中で途切って、溝の少ないレーシーな顔としている。もちろんコンパウンドもより耐熱や耐荷重を前提とするようで、夏からメジャーサイズから順次発売になるとのことで、詳しくはまた後日発表になるというから楽しみだ。

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ROSSO Ⅳ

ROSSO Ⅳのトレッドデザインでモチーフの稲妻グルーブ

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ROSSO Ⅳ CORSA

ROSSO Ⅳ CORSAのトレッドデザインは稲妻グルーブを途切っているのがわかる

ROSSO Ⅳ は路面追従と高荷重を
巧みに両立する革新的なカーカス配分で他をリード

そもそもピレリはハイエンドのクラスにスチールベルトのラジアル構造を世界で最初に開発したメーカーで、しかもいってみれば荷札についた細い針金を糸のように縒って束ね、これを太い糸としてさらに束ねるという、とてつもなく手間のかかる凝った素材づくりで、遠心力に耐える強さだけでなく衝撃が加わったときに自ら減衰して抑える働きもあるスーパーな構造。デビュー当初は実力の違いに、スーパーバイクのNewモデルがこぞって新車装着したほど圧倒的な存在だった。

こうした関心が集まりやすいトレッドコンパウンドだけに頼らず、路面追従性というグリップの基本性能で安定性から運動性まで対応するのが、ピレリが独自に積み上げてきた他と次元の異なるやり方といえる。
そういう意味でカーカスと呼ばれるタイヤ内部の繊維構造で構築するパフォーマンスは、いわばお家芸といって差し支えのないほどの実力を見せつけてきた。

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ROSSO Ⅲ

ROSSOⅢのカーカスで繊維の間隔が詰まっている通常の構成

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ROSSO IV

ROSSO Ⅳ CORSAの繊維が太く強靭さが与えられ、繊維の間隔は拡げられて柔軟性も得ている

最新ROSSO Ⅳでも注目を浴びた ROSSOⅠ~Ⅲで進化してきた経緯をジャンプする大幅な技術改革となったのは、ラジアル(放射状の意味)方向のベルトと90°で直行する一番内側のカーカスについてだ。
このホイールのリムからリムまで、タイヤの断面構造を横断する繊維を、ROSSO Ⅳでは1本を太くして強度をアップしながら、お互いが並ぶ間隔をやや空けて柔軟性を高めることで路面に張り付くしなやかさを得ると同時に、以前のように高荷重でタイヤが潰れていく、感覚的にはわかりやすいイメージを抱くものの、実際にはスリップがはじまってからの過渡特性で変化に勢いがつきやすいのを、かなりの高荷重でもたわんで応える範囲を広く与えられたフィードバックとなっているのだ。

しかもスチールベルトのほうも、束ねたスチール繊維の密度を、センターと両サイド(深いバンク角を担うショルダー部分)の3箇所で高める、つまりこの狭間の部分は剛性の低い追従性優先で、直立と深いバンクでは踏ん張れる剛性を優先と、大事な二面性を与えている。

多様なコンパウンドの組み合わせも
サイズによって種類も割合も異なる細かなチューン

また最新ROSSO Ⅳは、ROSSO Ⅲから受け継いだトレッドのセンターと両サイドで異なるコンパウンドを配した構成を、ハイエンドクラスのロープロファイル率とワイドな幅によって配分比をそれぞれ設定するという、よりハイレベルなチューンで製品化しているのだ。
そのカーカスからコンパウンドなど、もちろんCORSAはより耐熱や耐荷重を前提とするが、詳細はそれぞれの製品が発売になるタイミングで明らかになる。

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ROSSO Ⅳ は190/55 17を上回るサイズではコンパウンドの組み合わせがさらに細かく設定される

予定されている導入時期は以下の通り

フロント
110/70 ZR 17 M/C 54W TL 2023年以降
120/70 ZR 17 M/C (58W) TL 2022年夏

リヤ
150/60 ZR 17 M/C 66W TL 2023年以降
180/55 ZR 17 M/C (73W) TL 2022年夏
180/60 ZR 17 M/C (75W) TL 2022年秋以降
190/50 ZR 17 M/C (73W) TL 2022年秋以降
190/55 ZR 17 M/C (75W) TL 2022年夏
200/55 ZR 17 M/C (78W) TL 2022年秋以降
200/60 ZR 17 M/C (80W) TL 2022年秋以降