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世界で戦うライダーと未来のトップライダーたちが集う“テルル 桶川スポーツランド”の魅力!

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柴田 直行,RIDE HI 編集部

世界で通用する桶スポ!

7月半ばの日曜日、30度を超える暑さの中、Moto2小椋 藍、Moto3國井勇輝、WSSP300岡谷雄太の3選手と偶然居合わせたMoto3山中琉聖がテルル 桶川スポーツランド(以下、桶スポ)でデモンストレーション走行を行った。

その場に居合わせた人たちの視線はすべて彼らの加速、減速、スライドといったレベルの高い走りに釘付けになっていた。

そんなライダーたちのインタビューは、「【特別対談:世界で戦う若き日本人ライダー】Moto2小椋&Moto3國井&WSS 300岡谷」を読んでもらいたい。

今回は、そんな世界で戦うライダーたちが練習に訪れる桶スポについて、そしてそこで世界で戦うライダーたちにライディングを教えてもらうちびっこライダーたちに注目した。

そもそも桶スポってどんなサーキット?

まずは、桶スポについて紹介しよう。

桶スポことテルル 桶川スポーツランドは、現社長松崎さんのお父さんが設計施工して1990年にオープンした埼玉県桶川市にあるサーキット。ホンダやヤマハの有識者からもそのレイアウトの優秀さを認められた全長840mのコースだ。

ネーミングライツによってテルルという総合デジタルショップの名前を冠している。

世界で戦うライダーも練習に来るほどのサーキットで、ミニバイクからモタードまで多様なバイクで楽しむことができ、以前は「桶川塾」というレーシングチームも存在。今野由寛選手や現在はホンダ・チーム・アジアの監督を務める青山博一さんなど、多くのプロライダーを排出してきた。

また、桶スポは初心者にも優しく、2021年8月現在は新型コロナウイルス感染症対策のため実施していないが、レンタルスーツを用意し、装備がない人でも走れる環境を用意している。
レンタルバイクも用意され、ライセンスもフリーなので手ぶらでサーキットを楽しむことができる。

敷居が高いと思われがちなサーキット走行だが、桶スポは常連さんも自走の初心者も同じ日に来て明確なクラス分けで安心して走行できる。

そしてインタビューに答えてくれた桶スポのマネージャー鎌田さんがくり返し言っていたのは、「お客さんに恵まれている」という言葉だった。
初心者を否定する常連もいなければ、勝手に決めたルールを押し付けるような人もいない。自走で来た初心者のバイクが故障してしまったら、きちんと帰れる状態まで直すのを手伝ってくれたり、別け隔てなく純粋にバイクのいろいろな楽しみ方を許容しているライダーが多いのだという。

水害の多い場所にある桶スポは数年に1度、川の氾濫などによって酷い被害に遭うが、それを常連のライダーたちが自分たちの遊び場は自分たちで守るとボランティアとして復旧活動を手伝ってくれるのだという。
そんなことからも、いかに桶スポが愛されているかが伝わってくる。

このように常連に愛されるサーキットだからこそ新規のライダーも1回、2回……と桶スポに来る回数が増えていくのだ。

最近では、SSキラーズという中型バイクやモタードがメインのイベントレースの参加者層がとても若くなっており、若者のバイク・クルマ離れと言われる時代に20代のライダーがいちばん多いというのも驚きだ。

また、桶スポはそのコースレイアウトの優秀さからホンダがベトナムにサーキットを作る際にコンサルタントとして参画。1.3倍サイズで同じレイアウトのサーキットを作り、アジアのモータースポーツカルチャーを育てる一翼を担っている。

未来に羽ばたくキッズライダーズ

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桶スポは、プロライダーたちが普通に練習しに来て、普通に一般のライダーたちと一緒に走っている。その一般のライダーたちの中には世界を目指し、一緒に走るプロライダーたちに指導してもらうキッズライダー達がいる。

今回はそんなキッズライダーたちを6人紹介!

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市川速人(いちかわはやと) 選手(9歳)

バイクに乗り始めたのは4歳の頃からで、ギヤ付きバイクに乗り始めたのは2021年の4月頃から。お父さんがロードレースの国際ライセンスを持つライダー。憧れのライダーは「ゆうたくん!(岡谷雄太)」と元気よく答えてくれた。将来の夢は、Moto3に出場すること

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高橋 匠(たかはしたくみ) 選手(13歳)

2019年、2020年の関東ロードミニ選手権SPエキスパートクラスで2年連続のチャンピオンを獲得した高橋選手。2021年からロードレースに出場。桶スポで岡谷選手や小椋選手に遭遇すると自分たちの練習に来ているのに親身に教えてくれるのがうれしいという。目標は小椋 藍選手。レースが大好きでレースで勝つために練習を頑張っているのだという

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三谷 然(みたにぜん) 選手(14歳)

普段は筑波ロードレース選手権J-GP3に参戦する三谷選手。桶スポの良いところのひとつにやはり世界で戦うライダーと一緒に走れることを挙げる。憧れの選手は小椋 藍選手で、2021年の10月にはアジアタレントカップの選考会に参加するとのこと。夢はMotoGP選手になること

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荻原羚大(おぎわらりょうた) 選手(12歳)

バイクに乗りはじめたきっかけは、お父さんがバイクに乗っていたから。小椋 藍選手に憧れ、将来はMotoGPクラスのチャンピオンになりたいという。やれることが増えたり、目標としていたタイムを超えられた時がバイクに乗っていていちばん楽しい瞬間。最近では、骨折して全力で走れない期間に、なにかひとつできるようになろうと、スライド走行進入を特訓したという

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青田 魁(あおたかい) 選手(15歳)

Webikeチームノリックヤマハから筑波ロードレース選手権、もてぎロードレース選手権のST600に出場中の青田選手。目標とする選手はノリックこと阿部典史選手だ。目標は全日本でチャンピオンになること。桶スポでは先輩ライダーたちとよく練習をしているとのこと。レースで抜かれた時にどう抜かしていくか1から組み立てていくことが楽しいのだという

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松本康雅(まつもとこうが)選手 (16歳)

今回紹介するライダーの中ではいちばんレースデビューが遅い、中学2年生で初めてのレースに出場した松本選手。中学3年生位まではお父さんとマンツーマンでずっと練習していたが、高校生になってからはレースをやっている人たちからもアドバイスをもらいながら練習を積み重ねているという。昔からやっていた人たちに比べて走行時間も距離も全然足りないと謙遜しつつ、2022年からは受験との兼ね合いもあるが、ST600に出場し、2023年には全日本に出場したいと目標を語ってくれた

今回は6人しか紹介できなかったが、桶スポには他にも未来のトップライダーたちが多く集まる。桶スポで成長したライダーたちが、また新しい世代を育てていく。そんな好循環が生まれている桶スポ。
練習に適したコースレイアウトだけでなく、そこに関わる運営スタッフそして来場者のマナーが良いのもそんな好循環を生み出す一因だろう。

基本的に入場無料なので、自分でサーキットを走らない人もその空気感を味わいに行ってみてはいかがだろうか。
営業日や新型コロナウイルス感染症対策のための制限などは、桶スポ公式HPやSNSを要チェック。

HP:https://okspo.jp/
Twitter:https://twitter.com/okegawa
Facebook:https://www.facebook.com/okegawasportsland1990/

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桶スポの癒やし、通称「桶川猫」。受付に寝そべり、隣で受付業務をやっていようとお構いなしの猫さんたちが出迎えてくれる。捨て猫や迷い猫などを保護しており、7匹が桶スポに住み着いている

協力/ 桶川スポーツランド