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Q.同じ型のバイクに乗ったら、自分のより調子が良くて大ショック!これって仕方ないことですか?【教えてネモケン123】

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愛車と同じ型のバイクに乗る機会があり、自分のバイクより調子が良くてショックをうけました。愛車のほうが走行距離も多いので、仕方のないコトとして諦めるしかないのでしょうか?

A.ワイヤー類やチェーンなど調整をサボると、操作に対し反応が鈍くなり、調整してあるバイクと比べるとヤレて感じます。

調整を放置していても、乗り続けてきた本人に変化はわかりにくい……

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自分の愛車が果たして調子良いのか悪いのか、これは意外に確認できずに過ぎてしまうものです。ご質問のように、たまたま同じバイクに乗る機会があれば比較できますが、一般的には知る由もないのがフツーですよネ。

そう、知らず知らずのうちに、愛車は当初のコンディションを失っていることが多いのです。距離を乗ってしまったから、ヤレるのは仕方がないこと……いやいや、十万キロを過ぎていればそれもあるかも知れませんが、大きなメーカーで量産されているバイクなら、数万キロ走ったからといって目立ってヤレてしまうことはないはずです。
それでは、どこにナゼそういったヤレた感じが出てきてしまうのでしょうか。

「何だか、バイクが思うように走ってくれない。全体にヤレてきた感じがして、乗っていてこちらも疲れるし楽しくない」おそらく、こんな感じが深まっているのではありませんか?
現在のバイクは、どれも故障知らず。メンテナンスといっても、オイル交換やタイヤ交換くらいでアトは気にせず乗り続けている方がほとんどだと思います。
確かにメーカーが指定している定期的なメンテナンスさえ無視しても、トラブルフリーでまず問題なく走れてしまいます。

しかし、バイクは感覚の乗り物。機械的に問題なく機能していても、乗る人にとって扱いやすい状態が損なわれると、徐々に乗りにくい状況に陥りはじめます。 一番のポイントは、操作に対してのタイムラグや無駄な動きを伴う現象で、これが積み重なるとヤレた感じに結びつきます。

「遊び」の量は適度に詰め過ぎない!

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先ずドライブチェーンの調整。これは気にされている方も多いとは思いますが、わかっていても車載工具などでカンタンにできることではないのも手伝って、意外なほど放置されています。
スロットルの加減速でスナッチというか、ギクシャクが出てしまう一番の原因ですが、それはコーナリング中に加速をはじめるトラクション効果の初期にも、路面の蹴り出しがジンワリといかず、思い切ったスロットル操作を心理的にも妨げます。

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次にそのスロットルを操作するワイヤー。1年やそこらで伸びたりはしませんが、これが3年とか経ってくると知らずに遊びが増えていて、そうっと開けたつもりがガクッとくる加速になる原因でもあります。シフトダウンとか、そうした細かい操作も妨げますネ。
調整できる箇所は、グリップ部分だけでなくキャブやインジェクションユニット側にもあるので、チェックしておきましょう。
ただ気持ち遊びは必要です。詰め過ぎは扱いにくくなるので要注意。
クラッチもワイヤー操作だったら、使いやすいレバー位置に。遊びが大きくなって、交差点の停止状態でクラッチが完全に切れてないケースが数多くみうけられます。

減り過ぎるといきなり本来の働きから性能が落ちます

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あとブレーキも油圧操作がほとんどなので、パッドが減っても遊びは変わりませんが、一定以上減ってしまうと、パッドがローター(ディスク)に触れる離れるのストロークが、ブレーキをかけて次までが長いとレバーストロークを必要とする、つまり遊びが大きくなってしまう現象がでます。パッドの減り過ぎも要チェックです。

さらにサスペンションも、ダンパーオイルの漏れや、Fフォークはインナーチューブに付着して外気に触れる関係で、経年変化としてオイル不足や変質もあります。オーバーホールの必要な箇所として覚えておいてください。

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エンジンはオイル交換しただけで、乗っていて心が弾むほど快調になります。また、できれば定期的にバルブ調整をするのが理想。初期点検で義務づけているメーカーもありますが、長い時間が経過したら必ず調整したい箇所でもあります。びっくりするほど力強く且つスムーズなレスポンスが得られます。
「何だ、まだヤレてるワケじゃなかったんだ……」そう思うこと請け合いの調整すれば済むことなので、ぜひプロに相談してみてください。

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Shutterstock,iStock,RIDE HI 編集部