スYZF-R1エンジンの圧縮比を下げクランク慣性マス40%アップに燃料噴射化、
さらにはトラクション効率7%高める醍醐味と乗りやすいハンドリングで大ヒット!

ヨーロッパでアーバンスポーツとしてミドルクラスのFZ6が大好評で、ヤマハはそのリッタークラス版として成功したFZS1000の次世代としてFZ1系を開発、2006年のリリースに次いで2008年には国内向けの発売を開始した。
開発コンセプトは「凄そうに見えないのに凄い、フツーなのに速い!」こんなキーワードからスタート、YZF-R1の300km/hやそこまで過剰な性能ではないツーリングが楽しめるスポーツバイクの製品化を目指したのだ。



エンジンは2005年型YZF-R1に搭載の気筒あたり5バルブ(吸気3本+排気2本)の水冷DOHC4気筒をベースに、扱いやすさと醍醐味ある感覚性能をテーマに開発した新パワーユニットを開発。
77.0mm×53.6mmのボア×ストロークを共有しながら、圧縮比の変更(12.3:1→11.5:1)からカムプロファイルも中速寄りとして、クランク慣性マスを何と40%アップする思いきった専用仕様として、150PS/11,000rpm(2008年からの国内向けは94PS/9,000rpmと8.2kgm/7,500rpmのより明確な中速域重視)を発揮しながらトラクションに優位なトルク特性で、コーナリングトラクションははシチュエーションによってはR1より7%も高いレベルを達成している。


車体はFZ6で成功した新設計金型鋳造オールアルミ製フレームを採用。
エンジンを車体剛性メンバーとして活用、エンジン後方4箇所とシリンダヘッド背面左右2箇所計6箇所のリジッド懸架とするなど、強度に対して操りやすい捩り剛性へとバランスを重視、ヤマハらしいハンドリングを目指した。
車重はハーフカウルのFZ1-Sで205kgとネイキッドのFZ1は199kg(共に乾燥重量)と扱いやすいスペックに収め、1,460mmのコンパクトなホイールベースと共にビッグバイクらしくないフレンドリーなツーリングスポーツとしている。



とりわけエンジンでキャブレターをFI化(電子燃料噴射)した中でも、インジェクターに通常のスロットルバルブだけでなく電動のサブスロットルバルブを作動させ、低中速域での広範囲なスロットルレスポンスに対応した乗りやすさと醍醐味アップが大好評。
さらに排気脈動を利用するデバイスのEXUPをコンパクトにエキパイ4本集合部に装備、サイレンサーも容量を稼ぎエンジン下のチャンバーレスを可能にするなど、扱いやすさを徹底して求め、デザインでも新しいコンパクトなスタイルの構築が成功していた。
またフレームはR1とは似て非なる完全オリジナルなテクノロジーで構築、マシンのコンパクトなイメージへと変え新しさのアピール効果も大きかった。


果たしてFZ1は、ネイキッドのFZ1-Nから徐々にマーケットへ浸透してゆき、カウル付きのFZ1-Sもツーリング好きなユーザーを中心にシェア率を高めていく好調な滑り出しだった。
国内向けも当初は逆輸入車としての導入だったが、パワーダウンされても乗りやすさでジワジワと人気を得ていった。
かくしてアーバンスポーツ路線は世界中で売れまくり、FZ1系は2014年まで生産されるロングランモデルとなったのだ。



