流れるようなデザインは、このバイクから始まった
CB750FOURから10年の時を経て登場した新世代のCBは、技術的な進化だけではなく、バイクデザインの新しい潮流を生み出した
750ccの並列4気筒エンジンを搭載するCB750FOURは、’69年当時はまだ一般的ではなかったハイスペック仕様で登場し、まさに「夢のバイク」として世界にインパクトを与えた。そして、ホンダ=CBという概念を確固たるものにしたモデルだった。
このCB750FOURはマイナーチェンジを続けながら販売され、新世代CBが登場するまで、実に10年もの月日が流れていた。
CB750FOUR
第一世代のCB750FOURは’69年に登場。200km/hを超える市販車として世界から注目を集めた。エンジンはまだSOHC仕様だった
常勝していた耐久レーサーのイメージを踏襲。しかしそれ以上に……
そして1979年に登場したのがCB750/900Fだった。国内では前年にアップハンドル仕様で威風堂々としたスタイルを持つCB750Kが発売されていたが、CB750Fはよりスポーツ性が強調されたモデルとして発売された。
このCB-Fシリーズは、輸出仕様のCB900F、国内仕様のCB750Fとしてラインナップされたが、そのイメージは当時、ヨーロッパの耐久レースで隆盛を誇っていた耐久レーサーRCB1000であり、DOHC化された並列4気筒エンジンなど、当然のようにレースで培われたテクノロジーがフィードバックされていた。
しかし、CB-Fシリーズの魅力は、耐久レーサーのテクノロジーを盛り込んだハイスペックなオートバイ……それだけではなかった。
CB750K
Fに先行して発売されたモデルがCB750K。前衛的かつスポーティなFに比べ、アップハンドルなど、威風堂々のオーソドックスなデザインだった
CB900F カタログ
海外向けに発売されたCB900Fのカタログでは、常勝を誇ったホンダの耐久マシンRCBと並べることで、ハイパフォーマンスをアピールした
「新しさ」は随所に盛り込まれていた
新世代CBには、それまでになかった洗練されたデザインが施されていた。それは、単にスポーツ性が強調された……という観点だけでなく、その後のCBシリーズはもちろん、その後のオートバイのデザインにも大きく影響を与えるものだった。
その特徴的とも言えるのが、燃料タンクからサイドカバー、そしてテールカウルまでを一体化したインテグレーテッド・ストリームラインというデザイン。
これはCB-Fに採用されたデザインの手法であり、Fらしいロングタンクからテールまで、各パートが流れるようなデザインでつなげられている。それまでのオートバイにはない斬新なまとめ方だった。
時代を反映する、こだわりのデザインは細部にまで
流れるようなボディラインに加え、CB-Fには多岐にわたって、こだわりのデザインが採用されていた。
たとえば、大径化されたスピード及びタコメーターはライダーに向けて角度が立てられ、指針は計測器らしいシンプルなものから、スポーティさが重視されたデザインとされた。何より、メーターやインジケーター類が一体化されたデザインも新しかった。
さらに、ハンドルの左スイッチ周りに設置されたチョークレバーが、当時人気が高かった一眼レフカメラのフィルムの巻き上げレバーをイメージさせる形状とされるなど、そのこだわりは細部にわたっていた。
インテグレーテッド・ストリームラインと呼ばれるボディラインに加え、メーターをはじめ、細部に置いて現在に繋がる新時代のデザインが施された
類を見ない大排気量「750cc」の並列4気筒エンジンを搭載する市販オートバイとして世界を震撼させた初代CB750FOUR。そして、2代目となるこのCB-Fシリーズでは、パフォーマンスとともにオートバイのデザインを大きく進化させることに成功した。
現在では当然のように使われているデザインの多くは、実はこのCB-Fから始まっていたのである。