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Q.心配で近くばかり見てしまう対策って?【教えてネモケン147】

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ツーリングへ出かけるとバイクのすぐ前の路面ばかり見てしまいます。そのため先のほうの様子に気づくのが遅れ、カーブの手前で慌てます。「遠くを見ろ」とよく言われますが、先を見ていると手前の路面が心配になり我慢できずに視線を落としてしまうのです。どうすれば先を見るようになれますか?

A. 視線が彷徨う見方をやめる訓練と、何より心配性にならない余裕のあるペースで走りましょう。

警戒心が強ければ間近の1点を見つめてしまいがち。

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走りだしたら、目の前の路面が気になり、視線が間近な下へと落ちていく……ビギナーはもちろん、キャリアを積んでいても、慣れない環境や雨が降り出したりすると、つい同じ状態に陥ります。
でも心配性であることに嫌気する必要はありません。
ご自分を守る警戒心が働いているからで、これが機能していなかったら瞬く間に事故を起してしまいます。

とはいえ、直近ばかり見つめていて、ちょっと先で起きていることや、カーブが近づいていて、それがあとどのくらいの距離なのか、どんな様子のカーブなのか、イメージもないまま近づいていくのは避けたいところ。
そこで対策ですが、いくつかコツはあるものの、余裕がないから路面ばかり見ていたわけで、あと少しだけペースをゆっくりにするだけで、これから伝授する方法もヒントにできてすぐ実行できたりします。
いっぱい、いっぱいで走るのはナシ、そこから意識を変えましょう。

近くと遠くを視線が往ったり来たりを繰り返すのは却ってNG!

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まず人間の目は警戒する気持ちが強いほど1点を凝視します。
そのため走っているとき、少し遠くを見ていても、焦点を合わせた場所が近づくにつれ視線もそのまま手前に来てしまいます。
その焦点が目の前まできたら、遠くを見つめる次の焦点を探す……この繰り返しは、実は見えていないブラックアウトの区間を生じるなど判断を誤るリスクもあります。

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ではどうすればいいでしょうか?
映画の大きなスクリーンを見るように、全体を把握して1点を見つめない訓練をしてみましょう。

もちろんボンヤリ眺めていたのでは、危険察知もできません。
最初に言った余裕のあるペースで走るのが前提なのをお忘れなく。
そして視界の中にある大事なファクターに気づく、つまり手前の状態を認識できる余裕を維持しつつ、視線が上から下へ変化しないよう、固定した状態で先を見るクセをつけていくのです。

最初は集中できずに戸惑うかもしれません。慣れてくると視線が小刻みに変わらないため、目の疲れが減る効果も含め、快適さとなって身についてきます。

その場対応ができるペースで走るのが先決、
曲がれる操作を身につけるのも大切です!

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ただ先を見られるようになっても、その遭遇する状況に対応できる走り方が身についていなければ、警戒心が解けないのは当たり前。
減速でバイクがカーブを余裕をもって曲がれる態勢の準備ができたり、向き変えというリーンの最初で最も曲がれるバイクの基本特性を使って方向転換するとか、それは先の見えないブラインドコーナーであろうとなかろうと、カーブの中へ入ってから曲がりはじめる基本原則で操作できるようになっていなければ、そもそも余裕など生まれません。

オートバイはその場その場で様々な条件に遭遇します。
その変化に対応して操作するのがオートバイの基本です。

いくつかパターンを覚えても、違う状況だとリスクに陥るようでは、リスクを回避できません。
ゆっくりでも、ご自分で思った地点で思ったように曲がりはじめられる術は身につけましょう。

ところで前から迫り来る状況を、視線を上下させず景色で捉えながら、見えている隅々に意識を配れる訓練として、電車の先頭車輌で流れる景色に焦点をつくらない……という練習ができたりします。

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Photos:
iStock(Rotto70/beest),Shutterstock,藤原 らんか