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Q.カーブの手前で減速し過ぎます【教えてネモケン117】

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カーブを気持ちよくコーナリングしたいのですが、怖くて手前で減速し過ぎてしまいます。
どうすれば車体を寝かす走りができるようになるでしょうか?

A.漠然とした不安を、順序よくクリアして自信に繋げていきましょう!

見えてきたカーブがどのくらいの速度で曲がるのかを判定する

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ワインディングは、山肌がカーブの先を遮るブラインドコーナーがほとんど。
そうなると曲がり切れなくなる不安が先に立ち、カーブの手前でエンジンブレーキやブレーキをかけて速度を落としすぎてしまい、コーナーまで辿りついたときは車体を寝かす速度を遙かに下回り、失速しないよう入り口から加速する始末……ビギナーや久しぶりに乗るリターンライダーにありがちな状況です。
とはいえ、まだ不慣れなのにバンクしながらコーナーへ旋回していこうと、怖さを我慢してイチかバチかで突っ込むのは自殺行為。
怖いという警戒心があるのは、正常な証拠です。それを押し殺そうとするのはNGに決まってます。
しかし、そのうち慣れるに身をまかせていても、様々に状況が違うカーブにそうカンタンには慣れません。でもそんなストレスを繰り返すのも、せっかくのバイク・ライディングが楽しめず、何とかしたい気持ちもわかります。
そうした不安を取り除くには、順序立てた訓練が必要で、納得しながら自信へ結びつけていくのが遠回りしないコツ。
ではまず視線から訓練しましょう。イラストにあるように、慣れないと前輪のすぐ前を見がちですよネ。これでは先が読めません。視線を上げ遠くを見るクセをつけます。
次にやってくるカーブが見えた段階で、何速のギヤで何キロくらいで走るコーナーなのかを、真正面の最初に曲がっている角度で判定します。
大きく分けてコーナーは3種類。ちょっとだけ曲がる120°の緩いカーブ、そこそこ旋回が続く90°のカーブ、そしてまわり込んだヘアピンと、このどれかを判定する訓練からはじめるのです。
これは思っているだけではダメで、「120」とか「90」「ヘアピン」とヘルメットの中で声に出しましょう。
もちろん速度は落としたまま、合ってる、違ってたの判定を繰り返していくと、徐々に確率が上がってきます。最初の曲がっている部分のキツさが読めるようになるからです。
それができはじめたら、およそどのギヤで走るのかも判定に加えます。
これを繰り返していくと、意識せずともコーナー入り口で減速し過ぎることが減ってきます。
もちろん慎重に。まだペースを上げないで判定の確率アップを目指しましょう。

カーブの中をどう走るかも組み立てます

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次にカーブの中をどう曲がっていくかを覚えます。
ありがちでリスクが高いのが、センターラインを見ながら自分との距離というか位置関係を保とうとする走り方。
センターラインのどこを見ているかにもよりますが、必ずライダー側が遅れていくのでどこかの段階で飛び出しそうな気持ちに陥ります。
オートバイはリーンをはじめた瞬間が一番曲がります。
もちろんリーンしていくスピードにもよりますが、常識的なリーン、スパッと切れのよいシャープなリーンでなくても、リーンした瞬間の曲がりはじめが旋回していく方向を決めます。
という前提で、いわゆるカーブの入り口でアウト・イン・アウトを描くのはとくにNGで、カーブへ入ったちょっと奥から曲がりはじめるのが、安全マージンも大きく、走りやすい組み立てに繋がるのを覚えてください。
この組み立てに慣れるため、前後に他の交通がない状況を確かめて、ゆっくりした速度でイラストのような弧を描く走りを実践してみましょう。
どこで曲がるかを意識をして、狙った箇所で鋭くなくて良いので、必ず曲がりはじめる……というパターンを車体をほとんど傾けないゆっくりした速度で馴染ませていきます。

曲がるきっかけをFブレーキのリリースでつくる

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これも前後に他の交通がない、できれば広く空いたスペースのある駐車場などが理想ですが、まずは徐行程度の速度で軽く浅いバンク角をつけ、それからフロントブレーキをジンワリと軽くかけます。
するとフロントフォークのアライメントで、バイクが起きようとする反応があります。
あまり感じられなかったら、危なくない範囲でもう少し傾けてからかけてみてください。
この真っ直ぐな状態へ戻ろうとする性質を逆利用して、ブレーキをかけるのと同時に予め身体の重心を曲がろうとするイン側へズラしておき、ココと特定した場所でブレーキリリースすれば正確に曲がりはじめるスイッチの役割をしてくれます。
これはレースのようなハードブレーキングからのリリースではありません。あくまできっかけづくりのためだけで、バンクしたコーナリングに結びつけるのは諸々慣れたずっと後のことと思ってください。
これが身についてくると、あらためてコーナーへ向かって進んでいく段階で、コーナーの先読みからカーブへ近づくにつれ奥の様子がわかるようになり、リーンをはじめる箇所では出口やその方向へ向かう進路も見えてきます。
この判定と実践が間違いなく繰り返せる自信がつけば、気づくと減速し過ぎはしなくなっている筈。
この自信が安心と重なるようであれば、バンク角もつけたコーナリングへとアプローチできますが、一般公道ではリカバリーの効く範囲を心がけるのはいうまでもありません。
それ以上は、コーナリング時間が長いサーキットを走る機会に体験してください。

Photos:
藤原 らんか