suzuki_wolf125_90_20250520_main.jpg
このバイクに注目
SUZUKI
WOLF 125/90
1969model

スズキ初のWOLFは小排気量でも世界戦略にチャレンジ!【このバイクに注目】

Photos:
スズキ

輸出は250cc主体から世界GP制覇で125cc以下でも浸透をはかる!

suzuki_wolf125_90_20250520_01
suzuki_wolf125_90_20250520_02

スズキは1965年、2ストローク2気筒のT20で世界進出を果たしていたホンダCB72やヤマハYDS2に続き、量産スポーツ初の6速ミッション搭載をアピール。
さらに世界GPでも50ccや125ccでは強みを発揮して世界制覇を果たし、そうした技術力を誇る戦略から得意な小排気量のスポーツバイクでも世界マーケットへの進出をはかった。

suzuki_wolf125_90_20250520_03

そして登場したのが国内向けでは初のWOLF(ウルフ)の車名を与えたT125と兄弟車のウルフ90。輸出名はStingerと毒針で突き刺す動植物を形容する攻撃的なネーミングだった。
エンジンはシリンダーを水平近くまで寝かした2ストロークツイン。
90ccは38mm×39.6mmの小さなピストンで、10.5ps/9,000rpmと0.89kgm/7,000rpmと高回転まで回し続ける攻めたライディングを楽しむ特性。
125ccも43mm×43mmのボア×ストロークで、15ps/8,500rpmと1.38kgm/7,000rpmとこちらはクラス最強値で肩を並べながら力強さをアピールしていた。

suzuki_wolf125_90_20250520_04
suzuki_wolf125_90_20250520_05
suzuki_wolf125_90_20250520_06
suzuki_wolf125_90_20250520_07

その水平近くまで寝たシリンダーにはダウンドラフト・キャブレターと、当時はチャレンジングな吸気レイアウトに加え、排気系は両側へセンターアップの取り回してテールにサイレンサーのような('80年代になって定着したスタイル)テールピースを装着する、これまでに馴染みの少ない新しさを誇っていた。
さらにフレームも、90ccでは初となるパイプフレームで、トリフォームと呼ぶ逆三角形に組みエンジンを吊す、これも独創のレイアウト。

suzuki_wolf125_90_20250520_08

実は先行していたT20の縮小版となる、通常の並列2気筒でデザインもT20を踏襲したコンサバなT125というモデルが存在していたのだが、スズキは世界で先進的なイメージを他の日本ブランドとは一線を画した位置づけを狙い、この強烈で刺激の強いStingerをデザインしたのだ。
果たしてスズキのイメージはアメリカをはじめヨーロッパへも波及をはじめたが、同時にT500やGT380、そして水冷3気筒のGT750と強烈な個性のスーパースポーツを次々にリリース、注目のブランドへと急成長を遂げていた。