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このバイクに注目
カワサキ
Z1000R
1982~1983model

Kawasakiを直感させるアップハンレーサー、Z1000Rローソンレプリカ!【このバイクに注目】

1980年代にアメリカAMAレースが、
アップハンドルのプロダクションバイクレースを最高峰に!

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1972年にデビューしたカワサキZ1(903cc)は、初の量産DOHCヘッドの4気筒でしかもナナハンではなく新たに900ccクラスを構築、一気に世界で頂点を極めたのはご存じの通り。
その後、環境対策などを含め1977年にZ1000(1,015cc)へと排気量を拡大、ライバルたちの猛追対策としてZ1-Rでスペシャルなハイエンドスポーツを誇示してみせた。
このZ-1Rをベースに角デザインのMkII(日本国内向けはZ750FX)へと受け継がれ、さらにレースのレギュレーションタイプで998ccとしたZ1000Jが主力となっていった。
このMKIIの頃に全米選手権のAMAがいわゆるGPマシン的なスタイルではなく、アップハンドルのプロダクションバイクが競い合うカテゴリーをメインレースとしたのを機に、エディ・ローソン選手が駆るMKIIをチューンしたバイクが1980年の総合タイトルを獲得、ただスペアマシンに不備が見つかりスズキGS1000のウェス・クーリーに王座を譲る結果となった。
そこで翌1981年にはZ1000Jベースで破竹の勢いでチャンピオンを獲得、これを記念してライムグリーンにマスコットカウルを装着したレプリカ(複製)版としてZ1000Rを、ローソンレプリカとして販売したのだ。

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コーナリングでライダー着座位置から下げ、低重心化で安定した旋回性能を得ようと大きく段差のついたシートが特徴的で、レースチューンで装着していたKERKERマフラーのショート管も強烈な個性をアピールするフォルムとして憧れの的となった。
実は市販車としてレースのホモロゲーションを得る、S1という特別なバージョンが24台だけ製作されたが、この仕様に限りなく近づけようとするファンが多数を占めていた。
ローソン選手は続く1982年も連覇を果たしたので、Z1000RはR2として1983年もラインナップされたが、肝心のエディがヤマハへ移籍してしまったので、ローソンレプリカとは呼べなくなってうた。
R1とR2の違いはサイドカバーのRエンブレムが青から赤に変わった点。
ただエンジンがZ1100GP系と共通化したJ3を搭載していて、メーターを速度と回転計を一体化するなど一般的な仕様となっていた。

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このアップハンドルにパフォーマンスイメージを漂わせ成功を収めたのも、そもそもアメリカに強いカワサキらしくモータースポーツの熱さを巧みに誘導できたからに他ならない。
アメリカにはパフォーマンスでいえば有名なインディー・カーという最高峰カテゴリーを擁しながら、実は観客動員数では圧倒的に上回るNASカー(昔はストックカー・レースとも呼んだフツーの乗用車を改造するカテゴリー)がファン層の広さを含めトップに君臨している。
その人気はNASカー・ドライバーがタレント扱いでTVのバラエティ番組の常連だったりと、庶民の中に深く溶けた身近なカルチャーとして浸透しているほど。 こうしたカルチャーがあるからこその、アップハンドルのスーパーバイク人気というのも納得できる。

その後もZRX1200とZRX(400)で、
カワサキを代表するイメージを継承!

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アップハンのパフォーマンスバイク……このいかにもマイノリティなスタイルが、カワサキファンの感性とドンピシャリなのは誰でもわかる。
メインストリームから空冷のパフォーマンスを追い求めるネイキッドはその後に消えたものの、ベーシックスポーツとしてのスタイルに、このローソンレプリカのフォルムが不動の定番として定着することになったのだ。
ZRX1200は燃料噴射化されたDAEGのモデル名で、何と34年後の2016年まで延々と継承されていた。
さらに1994年、400クラスでもZZR400のエンジンをベースに、スイングアームをパイプで補強までセットで組んだローソンレプリカのスタイルを再現、2008年まで継続生産、ローソンレプリカの伝説的な人気を武器にした1台だった。