突如現れた、MEGURO K3は我々に何を伝えるのか
カワサキがメグロという名前を復活させ、市販車として販売するのには何か意味があるはずだ
1964年にカワサキと統合されるまで、1924年から日本初のスポーツバイクブランドとして大排気量・高性能・高品質のバイクを作り続けたのがメグロだった。
当時のメグロは公道だけでなくレースでもトップを走り続け、その伝統はカワサキが誇るヘリテイジモデルのWシリーズに継承されることとなったのだ。
カワサキが大排気量を得意とするその源流はここにある
メグロ K2
当時の川崎航空機株式会社は日本国内のモーターサイクル文化の礎を築いた目黒製作所を吸収し、大排気量エンジンの開発のノウハウを持ったメグロの技術者たちはのちに650ccのWシリーズで開発の中心的存在となったのだ。
MEGURO K3の “K”は、カワサキとメグロが業務提携をしてすぐの1961年に誕生したメグロ・スタミナK1の“K”が由来となっている。
そしてこのスタミナK1は、空冷OHVバーチカルツインエンジンを搭載し、カワサキの大型スポーツの世界戦略車W1のルーツとなったモデルだったのだ。
それから約60年の間進化を続けながら様々なバイクに受け継がれ、今度はかつてメグロK2からW1が開発されたように、W800から、先進機能を搭載したニューモデルとしてMEGURO K3が誕生した。
“メグロ”ブランドを起源とする“MEGURO K3”はカワサキ最古にして最長のモデルであり、その長い歴史に新たな1ページを刻むこととなった。
過去のメグロを意識させるが新しさも感じる
MEGURO K3は、ただ当時のモデルを真似してクラシカルな造形にしているのではなく、表面処理など随所に先進技術を採用することで新しさと独特の存在感を感じさせる。
運転するライダー目線からのデザインが意識され、ハンドルを握った状態で目線を落とすとメーターパネルの鮮やかな“メグロ”のロゴマークや銀鏡塗装のフューエルタンクに映る空などメグロブランドに乗っていることに誇りを感じる設計となっている。
「新型メグロからカワサキの新しい歴史が始まっていく」MEGURO K3にはそんなカワサキからのメッセージが込められているような気がしてならない……
2021 MEGURO K3
SPEC
- フレーム
- チューブラー、ダブルクレードル
- 車両重量
- 227kg
- ブレーキ
- F=φ320mmシングル R=φ270mm
- タイヤサイズ
- F=100/90 19 R=130/80 18
- シート高
- 790mm
- 燃料タンク容量
- 15L
- 価格
- 127万6,000円